2008.05.04

東京からもっとも近い3000m峰に挑む

R0011283_edited1s

HINAさんから「Nobさん、富士山に登りませんか。軽い荷物でサクサクッと。」とのお誘いがありました。
サクサク?登れるかどうかは不安でしたが、他ならぬHINAさんからのお誘いです。行かないわけにはいきません。

相談の結果、登山ルートは富士宮口にしました。
この時期、山梨県側の吉田口ルートはまだクラストしているかも知れませんから。
富士宮口は南面なので、雪質もザラメ状になっていることが多いはずです。

R0011266s前夜の10時に千葉を出発し、標高2,400mの新五合目に着いたのは深夜の1時少し前。
翌朝は5時半に起きて6時半過ぎに出発。
すると登山口で見知らぬ人から質問を受けました。
『頂上までは何時間位で着くのですか?』
「5時間位ですかね。」
『え、往復じゃなくて?』
「ええ、登りに5時間、下りは2時間半位かな。」
『あのぉ、初心者なんですが、それでも行けますか?』
「止めた方がいいですよ。アイゼンとか持ってますか?」
『は?アイゼンって何ですか?』
「えっー?! 絶対に登っちゃだめですよ! 引き返してください!」
まったく、恐ろしい人たちもいるもんです。

R0011285s彼らの出で立ちを見ると、軽登山靴にストックに麦わら帽子です。
完全に夏の富士登山と間違えています。(苦笑)

そんなハプニングもありましたが、とにかく出発です。
富士登山は途中にある山小屋が良い目標になってくれます。
振り返れば、伊豆半島や駿河湾の海岸線が美しいです。
愛鷹山は眼下に見えます。

六合五勺の小屋で休憩したあと、七合目を飛ばして標高3,200mの八合目まで一気に登りました。
強風も連続的に吹き抜けており、斜度もそれなりに強まってくるので、バランス保持のためにアイゼンをつけました。
出発時には雲に覆われていた山頂部もすっかり晴れ渡り、群青色の空が本当に美しかった。

R0011297s九合目、九合五勺の小屋を過ぎれば、ひと登りで富士宮口の頂上です。
今回のリーダーはHINAさんです。
「HINAさん、剣ヶ峰は登ります?べつに登らなくてもいいんじゃない?」とお伺いをたてたところHINAさん曰く「せっかくですから登りましょう。ほんの300m程先ですよ」
(ホントに登るんかい?)

強風のために時折耐風姿勢をとりながら、クラストした急斜面をアイゼンの爪をきかせて一歩一歩登ります。
旧レーダードームの先に「日本最高峰 剣ヶ峰」の石碑が建っていました。
標高3,776m剣ヶ峰頂上からの展望は格別のものがあります。

いまこの瞬間、日本の最高地点にいるのは私とHINAさんだけです。
日本国中ながめても、私たちよりも高い場所にいる人はいません。
そう考えると、なにやら誇らしい気持ちが湧いてきました。

ふたたび富士宮口頂上に移動して、下山の途につきました。
下りは尻セードをまじえながら一気に下りました。
下りの時間は1時間40分。
五合目の駐車場に戻る頃には下半身がガクガクになってしまいました。

R0011301s富士宮口からの登山は1969年8月以来ですから約40年ぶりになります。
当時の山日記によると、新五合目を22時半に登り始めて富士宮口3時2分着とありました。
日記を読み返してみると九合五勺からは苦しくて何度も立ち止まって休憩している様が書いてありました。

40年後の今回は6時35分にスタートして富士宮口頂上には10時56分着。
今回の方が速いのにはちょっと驚きです。
若さにまかせてがむしゃらに登っていた高校時代に比べて、若葉マーク付きとはいえ登山の基礎知識を身につけているオジサンの方に軍配が上がった格好ですね。(笑)

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2008.04.20

谷川岳・西黒尾根を歩く

R0011219s北京オリンピックに派遣される日本の水泳代表が決まりました。
テレビで放映されていた代表選考レースは見応えがありましたね。
選考基準は単純明快。
五輪派遣標準記録を突破しての2着以内の選手のみが北京オリンピックの水泳代表に選ばれるのですから。
テレビのレースシーンではCGでプールに黄色(五輪派遣標準記録)と赤色(日本記録)のラインが表示されるのでどの選手が記録を突破したのかすぐにわかります。

また、前回大会のメダリストなど過去にどんなに素晴らしい実績をあげていたとしても、この選考レースで標準記録を突破しての2着以内にならなければ代表から外れてしまう、というガチンコ勝負が観る者を強く引きつけ、大きな感動を与えてくれました。

R0011222s山の世界でもこうした客観的な指標があっても良いと思います。
いまでも山の世界で幅をきかせているのは、残念ながら「過去の実績」ですね。
たしかに過去の実績=経験値を積み重ねることは大切なことですが、なによりも重要な指標は現在の力だと思うのです。
とくに中高年世代では、現在の自分の力を正確かつ客観的につかんでおくことはとても大切な事だと思っています。

今日登ってきた谷川岳・西黒尾根は過去何度もトレースした経験がありますが、確実に登高時間が増えてきています。
かつては4月の谷川岳なら4時間で登り切ったものが、最近は5時間近くもかかります。
遅くともせめて5時間以内で登れる体力とスピードはこれからも維持していきたいものです。
スピードは安全登山に直結しますから。

R0011224s最近は、年末登山前の12月中旬と5月連休前の4月中旬の年2回、西黒尾根を訪れています。
雪のある時期、西黒尾根からの谷川岳登山は、私たちの会にとっては格好のテストピースとなってくれています。
自らの体力・スピードを客観的にとらえるために、これからもこの尾根を登り続けていきたいと思っています。

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2008.04.13

鉄五郎新道と丹三郎尾根

R0011169s4月は転勤シーズン。
私も3年ぶりに転勤しました。
そんな異動のゴタゴタと持病の腰痛がぶり返したこともあり、しばらく山歩きはしていませんでしたが、腰痛の方も少しずつ治まってきたので久しぶりにハイキングに出かけることにしました。

ネットで検索していたら、奥多摩の大塚山をめぐるコースの中に「鉄五郎新道」なるマイナーなコースがあることを発見。
さっそく調べてみると、4月のこの時期にはイワウチワの群生がみられるということがわかりました。
それならば、と文字どおり重い腰をあげて出かけてみた次第です。

R0011178_edited1sコースは鉄五郎新道を登路にとり下山路は丹三郎尾根にとります。
鉄五郎さんと丹三郎さんの競演です。
たぶん両方とも人の名前なのでしょうね。
どんな人だったのか興味がわきます。

それはさておいて、お目当てのイワウチワはというと・・
うーむ。
想像していたよりもすばらしい群生に思わず得した気分にひたることができました。
白くかすかに薄いピンク色の可憐な花が群生していました。

R0011195sイワウチワのついでにカタクリの群生地にも立ち寄りましたが、こちらは一週間ほど早く、一斉開花はこれからといったところでしょうか。
それでも、そこここに濃いピンクの花々が咲きほこり、早春の低山をいろどってくれていました。


ミツバツツジは今が見頃。
これから5月初旬にかけて奥多摩の山々は春本番をむかえます。


R0011164_edited1s


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2008.03.24

久恋の山  またも登頂ならず

R0011070s上越線の土樽駅からすぐに取り付くことのできる足拍子岳。
標高1,500mにも満たない低山ながら、急峻な尾根筋と険悪な沢を抱えるこの山に以前から憧れを持ち続けていました。


お隣の姉妹峰ともいうべき荒沢山の頂に立ったのは4年前の2月でした。
快晴の山頂から眺める足拍子岳とそこに至る鋸歯状の山稜に素直に感動しました。
登りたい。あの山の頂に立ってみたい。

以来、毎年3月を迎えると計画するのですが諸事情でなかなか実現できませんでした。
その間、荒沢山荒沢尾根での苦い敗退などもあり、久恋の情はますます募るばかりです。

R0011065_edited1sそして迎えた本年3月23日。
やっと実現できました。

しかし、悪い予感は先週からしていたのです。
今回山行の足慣らしにと、先週出かけた白毛門。
雪の少なさと雪庇の割れだした状態の悪さにいやな予感が・・・

そして、予感は的中。
雪解けは相当進んでいました。
めざす足拍子岳本峰はふだんなら分厚い雪に覆われているはずなのに、落雪してブッシュが無残に露出していました。
ブッシュと雪塊との接点を観察してみても、とても登れるような状態ではありません。
それでも南峰まで到達したので「良し」としましょうか。

そう簡単に登らせてくれないからこそ「久恋の山」なのですね。
駅から至近にもかかわらず手強い山。
来年こそ、雪に覆われた山頂に立ってみたいものです。

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2008.03.17

春の白毛門に登る

Shiragamon0720年以上ぶりで白毛門を登ってきました。
お隣の谷川岳には毎年のように訪れているのに・・。

谷川岳東面の展望台としてあまりにも有名ですが、久しぶりに登ってみて、お隣の山の引き立て役としてでなく、この山自体の魅力も十分に感じることができました。

それにしても、温暖化、寡雪の影響でしょうか。雪面には至る所に大きな亀裂が口を開けていました。
3月のこの時期にはまだたっぷりの雪に覆われていてもいいはずなのですが。

登高中も何度か雪崩による衝撃音が沢筋を中心にこだましていました。
全層雪崩を思わせる大規模な音響には驚かされます。

Shiragamon11
南を向いた尾根を一気にのぼるため、陽光に照らされた雪は腐れ状態となっており、足をとられることが何度もありました。
足腰が弱くなっているせいか何度もよろめく自分に腹が立ちます。
挙げ句の果てはスノーホールにすっぽりと埋まり、足を引き抜くたびに体力が消耗されます。

それでも雪山は楽しいですね。
同時に自分の力が客観的にわかるのでこわいですが。

下山の道すがら、車道を覆うスノーシェードの鉄骨から雪解け水が滴り落ちていました。
山にも遅い春がやってきました。

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Shiragamon06

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2008.02.11

雪の丹沢 - 装備選びの難しさ

Tanzawa07南岸低気圧が通過すると、進路によっては関東の山地にも大雪が降ります。
とくに相模湾からせりあがっている丹沢山塊は低気圧の影響をもろに受けるので、低気圧通過の翌日は絶好の雪稜漫歩が楽しめます。

今回の低気圧は進路が北寄りだったせいか、期待したほどの積雪はありませんでした。
もっとも山登りでは「期待」される雪ですが、通勤や日常の生活を考えると一番の厄介者ですよね。(笑)

さて、2月10日の丹沢は前夜に降り積もった雪のおかげで、真っ白な銀世界に変身してくれました。
安上がりに雪山が楽しめるので、小屋番も当然のごとく丹沢に馳せ参じました。

登山口で他の登山者の出で立ちを観察すると・・・
ピッケルはざっと1/3ほどの登山者が携行していました。
ストックはほぼ全員が携行。
中にはワカンやスノーシューまで持参の登山者も。
アマニオイルをたっぷりと塗りこめて飴色に磨きこまれたワカンやウッドシャフトのピッケルを背負ったオジサンにはびっくり。
ギアのお手入れには感心しましたが、どう見ても普段は書斎か居間に飾ってある代物を持ってきたっていう感じです。(笑)
その一方で、ロングスパッツも着けずにスニーカーだけで出発する親子連れとか、こちらが見てもハラハラするような足回りのハイカーも混じっていました。

Tanzawa08低山の雪山ハイキングって装備選びが難しいですね。
かくいう私も、ふだん使っている革製のハイキングシューズでは防水性で心もとないので冬靴を持参しましたが、トレースがつけられていたので結果的にはふだんの軽登山靴でも歩けたと思います。

冬靴に12本爪のアイゼンをつけた姿は八ヶ岳では似合っても表丹沢では少々過剰装備でしたが、安心を手に入れておけば行動に余裕が生まれることも確かなので、それなりに納得のいく装備計画だったと思います。

ただ、過剰装備は行動に支障をきたすので感心しません。
体力で劣る中高年登山者は事前の装備計画を入念に練ることと、経験を深めることが必要になってくるようです。


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2008.01.31

スノーシューで奥日光

R0010720sスノーシューは理屈抜きで楽しいあそびです。
持ってみるとけっして軽くはないのですが、装着してみると重さをほとんど感じさせない雪上の便利なツールです。

奥日光はスノーシュー遊びの良いフィールド。
戦場ヶ原、小田代ヶ原という二大湿原に加えて、光徳牧場や点在する池沼群、それになだらかな傾斜の山々がすべてスノーシューの絶好のゲレンデになってくれます。

夏場は家族向きのハイキングコースとして賑わう湯元から刈込湖・切込湖を訪れるコースも、雪のある時期はひっそりと静まり返りネイチャースキーやスノーシューの楽しいフィールドに変身します。

R0010719s二年ぶりで訪れた刈込湖。
期待どおりの静寂さと眩いばかりの純白のベールをまとって私たちを迎えてくれました。

スノーシューイングではあくせく歩き回ってはいけません。
無理せず足の向くままに森のなかを分け入っていきましょう。
アニマル・トラッキングから森の生き物の暮らしを想像するのも楽しいものです。

また訪れたいですね。
奥日光・・・


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2007.12.09

シート梱包

R0010605sまるで「人間蓑(みの)虫」ですよね。(笑)
しかし、笑い事ではありません。
遭難者を下界に搬出するためには傷病の程度に応じて要救助者の全身を保護しながらすみやかに移動しなければなりませんから。


今日は救助隊のメンバーたちとシート梱包の練習をおこないました。
梱包の過程に出てくる「引っ張りインクノット」や「バタフライノット」「シートベント」などの結び方は普段のクライミングシーンでは特に必要のない結び方なので、やらないとすぐに忘れてしまいます。
物覚えの悪い私にとっては大の苦手種目です。
R0010607s今回はT隊長がとっておきの結び方を伝授してくれました。
いささか下品な喩えが出てくるのでブログ誌面で紹介できませんが、『○○の穴を突っ込んだらぐるっと回して・・』といった表現方法だと不思議と覚えられるものですね。(笑)

今回は晴れた日の乾いた地面での練習ですから、3回目の梱包作業はわずか5分程度で完了できました。
しかし、実際は斜面であったり雪上で手袋をはめての作業だったりするわけですから大変です。

どんなレスキュー技術もそうですが「習うよりも慣れろ」ですね。
とにかく繰り返し反復して体に覚え込ませることがチームレスキューの王道なのです。

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2007.11.25

晩秋の高尾を歩く

071125takao01絶好の登山日和にめぐまれてマルチピッチクライミングを楽しんでいる会の仲間がうらやましくない、といえば嘘になります。
やはりみんなと一緒にクライミングがやりたい。
早く故障を治さねばと焦ってみてもそう簡単に治らないのが故障というものです。
じっくり故障と向き合ってケアしていかないとね。

さて、小春日和の3連休を室内で過ごすのはあまりに不健康なので軽いハイキングに出かけました。
山歩きは10月初旬に紅葉のはじまった那須の山々を歩いて以来ですから一月半ぶりです。
しばらく行かないとたとえハイキングでも準備をするのが億劫になってしまいます。

071125takao03近場で紅葉の楽しめる山を思い浮かべて、一番簡単な高尾山周辺に決めました。
小仏から景信山に登り、城山を経て高尾山にいたる3時間程度の軽いハイキングコースです。
最高峰は景信山の727mです。

低山とはいえ、展望も紅葉もたっぷりと楽しむことができました。
西から東にむかって歩いたため赤や黄色に色づいた葉が逆光にかがやく様がとても美しく、しばし立ち止まって眺めながらの山歩きでした。

071125takao0210月初旬の那須で紅葉の始まりに立ち会い、11月下旬の高尾で低山らしいやわらかな紅葉に迎えられたこの秋。
遠望する富士山には雪の冠が輝いていました。
季節は確実に冬を迎えようとしています。

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2007.11.06

レスキュー訓練

救助隊による岩場の搬出訓練の主管団体を仰せつかりました。
主管はこれまでにも湯河原幕岩での訓練で行ったことがありますが、多くの会や救助隊員が集まるのでそれなりに神経をつかいます。

P1030275s主管というと聞こえはいいのですが、要はお手伝い。
古くは江戸時代の忠臣蔵で有名な赤穂藩主浅野内匠頭(あさの たくみのかみ)が幕府から命じられた勅使饗応役なんていうのも今でいう「主管」なのかもしれません。
神経をつかいすぎて刃傷沙汰をおこしてもいけませんが。(笑)
閑話休題
今回のテーマは「参加者全員が岩場での引き上げ・引き下ろしに関する基本技術をマスターすること」です。
基本技術については誰がやっても同じようにできることを目標にしました。

この種の訓練は参加者が多くなるので、意欲的な人と「一歩下がって眺める人」とに分かれてしまいがち。(ちなみに私は後者です。)
眺めるばかりの人はどうしても習得が遅れてしまいます。
そこで、今回はかならず一回は一人一人が主役となって救助器具をセットすることを意識的におこないました。

こうして、訓練では落ち着いて出来るようになっても、いざ事故となった時にはパニックになってしまい覚えたことの何分の一も出来なくなるのは恥ずかしながら私自身が何度も経験しています。
これを防ぐには基本技術を繰り返し繰り返し習得するしか方法はありません。
救助訓練はその機会を提供する場だと思います。
今回の訓練をきっかけとして、参加者が所属の会に戻ったときにセルフレスキューとチームレスキューの普及に積極的に取り組んでくれたらとの思いを新たにしました。

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2007.10.21

天覧山の岩場にて

Img_1396天覧山の岩場でウィンチの操作練習を行いました。
11月4日に救助隊の訓練があり、この主管団体を引き受けた関係で実際の岩場での操作に習熟しておくためです。

ウィンチを使った引き上げ操作は一度だけ見学していましたが、見るとやるのとでは大違い。
実際の岩場はデコボコしているので、ウィンチを固定するためにはボルトや立木にスリングを巻き付けて固定する必要があります。
この下準備をおろそかにするとウィンチがグラグラ不安定になってしまい、最適な引き上げ力が得られません。
なかなかむずかしいものです。

Img_1365引き上げの基本操作には三分の一法を使用しましたが、最初はどうしても混乱してしまいます。
さらにはレスキューハーネスやグレゴリーレスキューザックの組み立ても反復練習しました。

秋らしいさわやかな青空が広がる一日を地道な救助訓練に使うのは正直のところもったいない気もしますが、主管団体として運営を頼まれたからにはやるっきゃないですね。

紅葉前線も着実に南下、そして山頂部から山麓へと下りてきているようです。
目に鮮やかな錦秋の山々を思う存分歩いてみたいものです。

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2007.10.15

合同搬出訓練に参加して

P1030228s初めて一都三県合同の搬出訓練に参加しました。

各県の救助隊メンバーが谷川岳山麓に集合して、東黒沢を舞台にして行われた訓練は内容も充実していて、私にとって相当な刺激となったことはたしかです。

P1030236s想定は、東黒沢溯行を行ったと思われる行方不明単独者の捜索および搬出活動ですが、今回は一連の搬出動作を確認するため、要救助者の位置をあらかじめ設定して行いました。
また、組織レスキュー(現地本部/捜索班[1次/2次]/通信班)としての連携確認も行いました。

故障モチの小屋番子はレスキューの花形である捜索班には入れないので、現地本部で無線と各班の現在位置をGPSにより把握する作業のお手伝いをしました。
現地本部の仕事も初体験でしたが、なかなか勉強になります。
P1030223s尾根上に待機中の通信班を介して、沢で行動中の1次捜索班(捜索と負傷者梱包、搬出)と2次捜索班(資機材搬入と搬出応援)に的確な指示と情報を流すという作業も、実際にやってみるとなかなかむずかしいものです。

それにしても大変なのは捜索班です。
二日目の後半に今後の勉強のためにと、「ハナゲの滝」の上まで見学のために登らせてもらいました。
負傷者(今回は土のう)をシート梱包して、スケットと呼ばれるレスキュー用のストレッチャーにのせてから沢身を出合まで搬出さる作業は見ているだけで疲れがどっときます。(もちろん、作業しているメンバーはもっと大変!)
負傷者の安全を最優先させながらの沢の下降は考えているよりもずっとたいへんな作業でした。
P1030238sハナゲの滝は落差こそ20m程度しかありませんが、長さはゆうに100mはある長大なナメ滝です。
その大滝に支点工作を施し、100mスタティックロープをセットしての搬出作業、また手作業で運べない箇所ではチロリアンブリッジをセットしての空中搬出も行わなければなりません。

ひとつの小滝を通過させるだけですぐに30分、1時間という時があっという間にすぎていきます。
訓練の舞台となった東黒沢は傾斜もゆるく沢も明るく開けているので普通なら短時間で抜けられる易しい沢といえますが、いざ負傷者を搬出するとなると下降に丸一日を要する非常に困難な状況になってしまいます。

P1030242sこれら捜索班の活動も大変でしたが、尾根上にじっと待機して捜索班と現地本部を中継する役目の通信班も、地味ながらとても重要な役割をになってくれました。

数多くの役割を総合的に発揮してはじめて一人の負傷者を安全に下ろすことができるわけで、今回これら一連の作業を現地本部と搬出現場で目の当たりにできたのはラッキーだったかもしれません。

P1030248sしかし、肩の故障が本当に悔やまれます。
本来なら捜索班で実際の搬出作業を経験したかった、というのが本音です。
内心忸怩たる思いもあった今回の合同訓練。
刺激と悔いとが入り交じったちょっと複雑な気持ちもありますが、でも思い切って参加してよかったと心からおもえた二日間でした。

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2007.10.08

色づきはじめた那須連山

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40年間の山歩きの中で、いちばん歩いた山域はどこかと尋ねられれば、たぶん「那須連山」とこたえると思います。

この山々に最初に登ったのは、私がまだ山歩きを始めるずっと前の小学校4年生の夏でした。
兄に連れられて高雄温泉から牛ヶ首を経て茶臼岳に登りました。
071007nasu03バテバテでしかも、火山の噴煙と硫黄の臭気が怖くて、泣きじゃくりながらの情けない登山事始めでした。
頂上に着いたら一歩も動けなくて、中学生だった兄を困らせた思い出があります。

いまでも盛大に噴煙を上げている無間地獄とよばれている爆裂火口は、今よりも激しく噴出していた記憶があるのですが、それは幼い頃の恐怖心から誇大に感じていたのかもしれません。

071007nasu02高校に入り、山歩きを本格的に始めてからも年に二、三度は必ず訪れていますから通算すればけっこうな数になると思います。
そんな思い入れの深い那須連山ですが、「My favorite route」とも言えるのが今回(も)歩いたコースです。
峠の茶屋駐車場に車をおいて、峰の茶屋に至り、朝日岳から熊見曽根をへて隠居倉に登りかえし、三斗小屋ノ湯に下ります。三斗小屋から沼原方面の分岐をへて姥ヶ平に登り、そこから牛ヶ首をへて峰の茶屋にもどり、出発点である峠の茶屋駐車場に帰着するミニ周回ルートです。

071007nasu01気分の良いときやお天気をみて、これに三本槍岳往復を加えたり、さらには大峠を経由して三斗小屋にいたる大きな周回コースもお気に入りのコースです。

でも、那須のダイナミックな景観を堪能するのなら主脈縦走コースが楽しいですね。
大丸温泉をスタートして茶臼岳から朝日岳、三本槍岳、須立山と歩いて赤崩山の山裾を巻き、甲子山にいたる縦走コースは、ワンデイが可能な達成感満点の充実コースだと思います。

071007nasu05さて、前置きが長くなりましたが、今年の紅葉は例年にくらべてかなり遅れています。
8月、9月の高温がわざわいしたのでしょうか。稜線上でようやく色づきはじめた程度でした。
山稜を吹きぬける風にも夏の名残りを尻尾に残すようなあたたかさ感じられ、それがちょっと気になりました。

楽しみにしていた姥ヶ平の紅葉も今ひとつ。
叶うことなら来週末、もう一度訪れてみたい那須の秋でした。

071007nasu06【タイム】
峠の茶屋P(5:50)---峰の茶屋(6:24~40)---朝日岳(7:10~18)---隠居倉(7:59~8:04)---三斗小屋(8:38~48)---沼原分岐(9:04)---姥ヶ平(9:50~10:05)---牛ヶ首(10:31)---峰の茶屋(10:51~55)---峠の茶屋P(11:25)

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2007.08.27

晩夏の北八ツを歩く

070825kitayatsu02_3

「北八ヶ岳」と書いて真っ先に思い浮かべる本が、山口耀久(あきひさ)氏の名著『北八ツ彷徨』です。
それほど長くはない文章だったような気がします。
若い頃に一読したきりでしたが文章のところどころは記憶に残っています。

40歳を過ぎてクライミングに本格的に取り組みはじめた時期に、再び氏の名前に触れて意外な感に打たれたものです。
それは、氏が獨標登高会所属の往年の名クライマーであったことを知ったから。

070825kitayatsu01北八ツのたおやかな山稜や池沼群を縦横に彷徨し、大自然と素直に向き合いながら戯れし日々の想いを淡々と書き残した文章が、先鋭的なクライマーだったという氏の前身とはどうも結びつかない気がしたからです。

さて、山口氏がこよなく愛した「北八ヶ岳」ですが、私もまた好きな山域のひとつです。
大学時代から30歳代の後半位まで、秋冬の季節を中心にずいぶん歩き回りました。

いまの会にお世話になってからは、北八ツは「活動対象外」なのですっかりご無沙汰していましたが、このたびひょんな事から10数年ぶりに訪れることが叶いました。

070825kitayatsu03なんと、わが娘が突然「山を歩きたいから連れてって!」と言ってきたからです。
どういう風の吹き回しかはわかりませんが、突然山歩きに目ざめた娘。
私自身、山歩きは同世代のメンバーと楽しんでいた方が精神的に楽だし、中学高校時分ならいざ知らず社会人になっている娘と一緒に山を歩くのも今さら煩わしいというのが偽らざる気持ち。
親としてはなんとも複雑な心境です。
しかし、とうとう彼女の熱意に負けて? ともかく8月最後の週末に娘と北八ヶ岳を歩く約束をさせられてしまいました。

070825kitayatsu04
登山初心者を連れて山を歩くなら、やはり北八ツは良い山です。
交通アクセスも良いし営業小屋も随所に置かれていて、山慣れない人でも安心して歩くことができるからです。
反面、山口耀久氏らが彷徨した頃の手つかずの原始的な自然環境は残念ながらかなりの部分で失われてしまいましたが・・。

今回は私自身が10数年ぶりに訪れるということもあって、歩行時間が少ない中でも北八ツの核心に触れることができるコースを選ぶのに苦労しました。
今回歩いたコースは、麦草峠から入山して、白駒池を経てニュウに登り中山峠から黒百合平に至り一泊して、翌日は天狗岳を往復してからふたたび中山峠を経てこんどは中山から高見石を経由して渋ノ湯に下山するというものです。

070825kitayatsu06北八ツのキーワードともいえる「森」「湖沼」「岩塁からの俯瞰」などをほどよく盛り込むことができました。
鬱蒼とした森林にひょっこりと飛び出た岩塁のニュウや高見石と、それらから眺めるどこまでも続く森林の広がりと美しさ。
中山峠から高見石に至る森林樹林下の苔むしたトレールや天狗岳から遠望する南八ヶ岳へのあこがれ。
白駒池の世俗化した風景と国道299号線の車騒音は大いなる「誤算」でしたが、それ以外はおおむね期待どおりの山歩きができたと思っています。
他に誰もいない二人だけの天狗岳山頂からのご来光もなかなか感動的でした。

070825kitayatsu05
あ、そうそう、「誤算」といえばもう一つありました。
娘曰く「ヨカッター! お父さんまた連れてってねー!」
これは誤算でした。・・・トホホ

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2007.08.17

真夏はやっぱり沢登り

40.9度C。
この日、国内では74年ぶりに最高気温が更新されたそうです。

地獄のような炎暑が続く日はやはり沢登りがいいですね。
たとえ標高が低くても、深い樹林に覆われた渓谷の中は水しぶきに洗われて別天地のようです。

08160003sふたたびHINAさんと共に西丹沢の小さな沢を訪れました。
沢の名前は「マスキ嵐沢」。
中川川流域にある大滝沢のさらに支流にあたります。
奇妙な名前の由来はわかりませんが、事前情報どおり短いけれども直登できる小滝が連続して懸かる楽しい沢でした。

HINAさんの配慮で下山口の西沢出合まであらかじめ車を回してもらい、ご本人は出発地点である大滝橋までマウンテンバイクで戻って来てくれました。
歩くとなると炎天下の車道を45分はかかります。
故障モチの小屋番子に対する暖かい配慮に感謝感謝です。

アプローチ30分ほどで出合に着き、支度をすませてさっそく入渓しました。
マスキ嵐沢は丹沢には珍しい花崗岩で構成されている沢です。おかげで明るい渓相に満ちていて気分も自然と明るくなります。

しばらく進むとすぐに美しいナメ滝が現れます。
続いてみずみずしい小滝群が次々に現れて私たちを喜ばせてくれました。
お盆明けの平日とあって、他には溯行者も見あたらず静かな沢歩きを満喫しました。

08160026s少し登り甲斐のある滝の落口付近にはかならずと言っていいほどしっかりしたアンカーが設置してあります。
初心者同行の場合でも安心してロープ確保ができるよう配慮されているのはうれしいですね。

この沢のハイライトであるF3(2段15m)を越えて一休み。
このところの渇水の影響でしょうか、水量もいくぶん少ない感じがします。
さらに進むとやがて水も涸れ、二俣に達しました。
ここではケルンに導かれるように右俣を進むと、涸れた5mほどのF6が、そしてそれを越えると10mのF7が現れました。

F7(4級)はロープ確保なしでも登っている記録がありますが、私たちは勿論確保しながら登ります。
HINAさんトップでするするとロープが伸びていきます。
08160029s残置ハーケンはあるものの効きが甘いので中間支点としてはもの足りません。
そこで私たちはキャメロット#0.75で支点を補強しましたが、これが大当たりでしっかりとした中間支点になってくれました。

F7を越えて一休みです。
もうこの先には滝はないので、身支度を整えて稜線を目指しました。
ヤブコギもなくわずか10分足らずで尾根上に達したのには拍子抜けしましたが、汗をかく前に登り切れてよかったです。
帰路は権現山から西沢出合に続く痩せた尾根道を慎重に下り、およそ1時間で車をデポしてある西丹沢自然教室(西沢出合)に着きました。

河原では家族連れのキャンパー達が水遊びに興じていました。
豊かな自然にあふれるこの渓谷で、自然のすばらしさを体感した子供たちがすくすくと成長してくれるといいな、と心から念じつつ西丹沢を後にしました。

もっとくわしい沢の記録はこちら

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夏は岩稜の縦走や沢登り、春と秋には乾いた岩場でのクライミング、そして冬は氷雪に戯れる。
季節感に逆らわない自然の旬を大切にした山歩きをこれからも楽しみたいと願っています。
ただし、「故障と相談しながら」ですが・・(笑)

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2007.07.29

花咲き乱れる天狗尾根

070728tengu04八ヶ岳の東面はそのアプローチの長さからなかなか訪れる機会がなかったのですが、今回初めて天狗尾根と真教寺尾根をトレースしました。

スタート地点は美し森駐車場です。3時間の仮眠の後に出発しました。
長い林道歩きですが、車の通行は禁止されているのでのんびりと歩くことができます。東面から眺める権現岳も今まで目にすることのなかった角度からのもので新鮮な感じでした。

やがて、沢沿いの山道となりますが、右へ左へと渡り返しながら堰堤を8箇所越えていきます。目印のマーキングが付けられているので迷わずに出合小屋に着きました。
出合小屋は地元のたかね山岳会が管理されているとのこと。内部は小ぎれいに片づけられており四季を通じて南八ヶ岳東面のベースになっているのもうなずけます。いつまでも大切に使用させていただきたいものです。

070728tengu02さて、いよいよ天狗尾根の取り付き探しの始まりです。
ネットの情報でも取り付き探しに手間取った、という書き込みが多かったので慎重に探しながら歩きましたが確かに解りづらいですね。
地獄谷と赤岳沢とが合流する出合から赤岳沢方面に進み、しばらくして右岸に合流する浅い涸れたルンゼ状を尾根に向かって取り付いたのですが、ヤブこぎを強いられました。
注意して見ると古い赤テープが所々に付けられてはいるのですが・・・

それにしても天狗尾根の登りは急傾斜が続きます。
ヤブや倒木をかわしながらの登高は中高年隊にはきついものがありました。天狗尾根の記録がヤブの消えた秋や積雪期に多いのもわかります。

尾根上に着いたら一段落。
しかし、相変わらず踏み跡はか細いので時々赤テープを見失うとヤブに入り込んでしまいます。
樹林越しに見える権現岳の凛々しい姿を励みにしながら黙々と登りました。

070728tengu01やがて「カニのはさみ」と呼ばれる2つの岩塔が見えてくると、いよいよ天狗尾根核心部の始まりです。
続いて現れた岩峰にはロープがフィックスされていました。最初、ロープの左側をアンザイレンで直上するつもりでしたが、残置ロープの状態が良いのでロープにプルージックでスリングを巻き付けて登りました。
上部は急な草付き帯になっているこの岩峰を乗り越えるとぐっと展望が広がってきました。赤岳本峰は指呼の間に望むことができます。

さて、このあたりまで上がると高山植物が所狭しと咲き乱れていました。
文字どおり咲き乱れるという感じがぴったりでした。踏み跡にもぎっしりと咲いているのには困りましたが。
チングルマ、ハクサンイチゲ、シオガマ、イワツメクサ、ウスユキソウ、シナノキンバイ、チシマギキョウ、・・・
私が知っているだけでもたくさんの花々が見られたのですから、高山植物好きの方が訪れたならさぞかし感動するでしょうね。

070728tengu03大天狗は正面を直登することもできます(IV級)が、5名パーティーでは時間がかかるので右から大きく巻きました。
右下の斜面から巻いたために稜線に戻るのにハイマツ漕ぎを強いられました。
眼前の小天狗はボリューム感たっぷりの大天狗とは対照的に尖塔といった感じです。左から難なく通過しました。

ここまで来れば縦走路はすぐそこです。行き交う登山者もはっきりわかります。
ハイマツの緑の絨毯に開かれた踏み跡をたどって無事に縦走路に合流しました。
稜線上は強風とガスがひっきりなしに去来しています。気温も下がっており、長居は無用とばかりに赤岳山頂直下の分岐から真教寺尾根を下山しました。

070728tengu05東面を代表するこの尾根の下りもまた大変でした。
いきなりの鎖場には閉口しました。荒天時は要注意です。
鎖場の急斜面が一段落すれば今度は長い長い下り道が延々と続きます。
途中で雨にも降られましたが、長い尾根道をたどりなんとかスタート地点である美し森駐車場に無事に着きました。
行動時間で11時間近くのアルバイトでしたが、腰痛持ちの小屋番子には限界の山歩きでした。ヤレヤレ・・・。

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2007.07.22

蜂の一撃にびっくり

P1030182s関東の梅雨明けはまだですが、蒸し暑い日々に耐えかねて久しぶりに沢登りに出かけました。
場所は丹沢・モミソ沢です。
出合に「懸垂岩」という高さ15mほどのロックゲレンデがあるため、岩半分、沢半分という楽しみ方ができるユニークな沢です。

私も20数年ぶりでモミソの懸垂岩に取り付いてみました。
かつてはろくにピンもありませんでしたが、今では要所要所にペツルのハンガーが打たれており、かなり安全な岩場に変身していました。
とはいえ、終了点にある大きな木は今でも健在で、あいかわらず懸垂用のロープがぐるぐると巻かれていました。

モミソ沢に入渓する前に懸垂岩に触れるのはお決まりの儀式のようなものです。
かつて若い頃にはこの岩が目的で訪れたこともありました。

沢用のフェルト底の靴で岩登りをするのも妙に新鮮でよかったです。
が、ふだん乾いた岩場でフラットソールのクライミングシューズで登っているため、勝手違いでだいぶ危なっかしいクライミングになってしまいました。

P1030184_filteredsさて、終了点にある木の根元にアシナガバチの巣があることを知らずにトップロープ用の支点を作ってしまいました。
赤いロープがくるくると揺れるのが面白くないアシナガバチ君。
そうとは知らずに支点の回収作業に集中していた小屋番子。
左の腕にいきなり一刺しされました。「痛っ!」

びっくりした小屋番子。
しかし、ここで慌てたら15m下の地面に墜落してしまうので、落ち着いて落ち着いて・・
なんとか懸垂下降で難を逃れましたが、ズキズキと痛みは増すばかりです。
幸い近くにいたガイド氏が知り合いだったので薬を分けてもらいました。

このあと、モミソ沢の溯行を開始しましたが、腕の痛みが気になってモチベーションがイマイチ上がりませんでした。
外傷に備えて三角巾や滅菌ガーゼ類は用意していたのですが、虫さされの薬は持参していませんでした。
これも反省材料のひとつです。
ああ、いつになったら若葉マークがとれるのでしょうか。

沢登りの記録はこちら

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2007.06.24

雨もまたよし 川乗山

070624kawanori01予定では八ヶ岳のバリエーションルートに出かけることになっていましたが、雨模様の予報に早々と中止の判断を下してしまいました。

すると予報は大きく外れて土曜日は朝からの好天にがっかり。

ならば、せめて奥多摩にと、私にとっては高校時代以来、久しぶりに川乗山を訪れました。
久しぶりといっても39年ぶりですからまったく記憶にありません。
高校の頃は、たしか「川苔山」と呼んでいた山でしたが、今は「川乗山」と書く方がポピュラーなようです。

登路にとった赤杭尾根も懐かしい尾根道です。
長い尾根なので登りにつかう人よりも下山路にとるハイカーがほとんどです。そのせいか、静かな登りを楽しむことができました。

昼前から雨がポツリポツリ・・
標高1000mを越える頃からは風も出てきて雨足も強くなってきました。
久しぶりに雨具を羽織りました。

070624kawanori03雨には祟られてしまいましたが、時折尾根の樹幹越しに見える奥多摩主脈の山々や足下に咲く山野草に慰められながらのハイキングもなかなか良いものです。

いよいよ梅雨本番なのでしょうか。


070624kawanori04

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2007.06.03

藤坂ロックガーデン

2週続けてクライミングを楽しみました。

Fujisaka_rg01今年に入って3度目となる藤坂RGにも慣れてきて、今回はいろいろなルートにチャレンジ。
とはいえ、故障モチの小屋番子が登れるルートはわずかなものです。

もっと難しいルートに取り付きたいm3nbさん達には悪かったのですが、9アンダーのルートばかりにしてもらいました。

グレードが上がってくると、どうしても故障部位への負担が増してきます。
なるべく負担を軽くするようなムーブの追求や足での立ち込みに神経をつかったりしながら、少しでも長くクライミングを楽しみたいと願うこの頃です。

クライミングを楽しむには、登り自体の上達も必須条件ですが、確保システム全体に習熟する方がもっと大切です。
Fujisaka_rg02
2週間ほど前、知り合いの山仲間が事故で亡くなったこともあり、安全管理には普段以上に気をつけました。
それでも、懸垂下降に際して問題点を指摘され、まだまだ未熟なんだなあと反省することしきりの一日でした。

ところで、今頃は陽も長くなり、さわやかな空気が低山にも吹きぬけていきます。
次週は低山でもいいから歩いてみたいですね。

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2007.05.28

伊豆 城山南壁・三日月ハングルート

伊豆大仁にある城山南壁を訪れました。

070527jouyama03メンバーは、竜少年(65歳)と錦少年(61歳)の両少年コンビです。
「少年」とは名ばかりの年齢ですが、気持ちはいつまでも少年なのです。
3人だけでのクライミングは、錫杖岳前衛フェース1ルンゼ以来ですが、ロープを結びあうと気持ちがすっと一つになるから不思議なものです。

さて、私にとってはおよそ15年ぶりの城山再訪でしたが、手厳しい洗礼を受けることになりました。

三日月ハングルートは城山南壁を代表するクラシックルートです。
昔から人工登攀で登られていましたが、最近は誰でもフリーで登っています。

070527jouyama04一度は登ってみたかったルートではありますが、今回錦少年のリードでフォローさせてもらい、まだまだ登る資格がないことがわかり、さすがにちょっとがっかりでした。

率直に言って難しかったです。
特に横断バンドから始まる2ピッチ目から三日月ハングを越える4ピッチ目までは、禁断のA0ワザ(ヌンチャク掴み)をしまくりました。
情けねぇー。

070527jouyama05それにしても三日月ハング越えのピッチグレードが5.8とはきびしいです。
いま冷静に思い返すと、たしかにハングの弱点をついているルートであり、大きくかぶっているわけでもなくバランスで十分に越えられた筈です。
眼前の大ハングに幻惑されてしまったのかも知れません。

ああ悔しい。
秋になったらまた訪れたいものです。
今度は南西カンテにぜひ挑戦したいと思いました。

くわしい報告はこちらをご覧下さい。

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2007.05.12

リード&フォロー

070512fujisaka01新緑がまぶしい栃木・藤坂ロックガーデンを訪れました。
ここしばらくは氷や雪山に出かけていたので、私にとっては2ヶ月ぶりの岩登りです。

会の若手とチームを組んで登るのは楽しいですね。
今回ともに登った若手の二人とはしばらく一緒に登っていなかったのですが、登りに落ち着きと集中力が備わっているのに驚きました。
着実に力をつけているのを間近に見られてうれしかったです。

070512fujisaka02今日はトップロープは封印しました。
トップロープクライミングは、難しいルートやムーブを探るときには有効ですが、どうしても気持ちがバラけてしまいます。
2人一組ですべてリードアンドフォロー形式で登り込みました。

尺取り虫のように二人で少しずつ高みをめざしますが、フォロアーはリーダーを見守り、リーダーはフォロアーをサポートする。
070512fujisaka03私はこのクライミング方式が好きです。
お互いを結ぶロープを通じて、相手の息づかいや気持ちまでが伝わってくる感じがするからです。
文字どおりロープに血が通うというのでしょうか。

今日の藤坂は新緑の中をさわやかな風が吹きぬけて最高の一日でした。
これからも一歩一歩ステップアップして、8月には会の皆で剱岳周辺でのバリエーションルートを楽しみたいと思っています。
070512fujisaka04

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2007.05.06

杓子岳・双子尾根から白馬岳へ

070504hutago04久しぶりに眩(まばゆ)い残雪の北アルプスを満喫してきました。
若葉マーク付き登山者にとって、北アルプスはいつまでも憧れの高峰群です。
良き山仲間の支えがなければ簡単には登らせてくれません。
今回も年代的には大先輩といえるお二人とともに好天を味方につけて登ることができました。

目的地は杓子岳の東南方向に派生している双子尾根。
北アルプスでは初級者向けのバリエーションルートの一つ。
その双子尾根を経て杓子岳に登り、白馬岳に登頂するプランです。

ただし、中高年世代のパーティーですから無理は禁物です。
アプローチに要する時間を短くして、かつ行動時間も最小限度に抑えるように計画しました。
こうなると山の選択肢は限られてきますが、自然と候補に上がってきたのが今回の双子尾根でした。

070504hutago21千葉を早朝発の特急あずさで出発すれば、お昼過ぎには猿倉台地上のテントサイトに着くことができます。
稜線上にある営業小屋で1泊するプランにすれば行動時間の短縮も図られて、中高年隊にとっても余裕のある計画が組めます。

こうして挑んだ双子尾根は、私たちが期待していた以上に楽しく充実したルートでした。
尾根上には何日も滞在したくなるような絶好のテントサイトがあるし、周囲の圧倒的な景観も魅力的です。
雪が多くコンディションが良かったせいか困難な箇所も少なく、若葉マーカーにとってはとってもありがたいコースでした。

さあ、ほぼ6ヶ月にわたった雪山の季節はそろそろおしまいです。
これからは乾いた岩の世界、そして新緑や高山植物が咲き乱れる山歩きの楽しみが始まりますね。

双子尾根の詳しい山行記録はこちらをどうぞ

070504hutago35

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2007.04.21

春風に包まれて奥多摩へ

070421hinode025月連休は北アルプスに入山する予定なのですが、雪の状況が心配です。
記録的な暖冬の後に訪れた4月の低温と降雪がどのように影響しているのかを現地に行って確認したい。
そんな思いから、今日は後立山の唐松岳を訪れる予定でした。
ところが、日本海側に低気圧が進んでくる予報から悪天が予想されたために急きょ中止に。
そのかわり唐松岳のメンバーで奥多摩にハイキングに行ってきました。

070421hinode05大型連休を前にしているせいか、奥多摩のハイキング客はあまり多くはありませんでした。
さらに無人の川井駅に降り立った乗客は私たちの他には二人だけでした。

今日は晴れ間の見えるまずまずのお天気です。
なによりも時折吹きぬける風がさわやかで春本番を感じさせてくれます。

ルートは竜少年お得意のマイナーな踏み跡経由で賑わいのある人気の山頂に至り、下山もまたまたマイナーな尾根筋を下るというものです。
具体的には、大塚山境界尾根を経て大塚山、御岳山、日の出山と歩き、高峰から北尾根を御獄駅に下りました。

070421hinode06いずれも1,000m以下の低山ハイキングですが、ミツバツツジ、イチリンソウ、スミレ、それにカタクリの群落というオマケまでついた花尽くしのハイキングを堪能することができました。

先週のような雪山も良いですが、この時期のハイキングは自然の恵みに溢れていて本当に楽しいですね。
春風が頬に心地よいさわやかな季節の到来です。
070421hinode10
ハイキングの記録は、当会ホームページからご覧下さい。

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2007.04.15

陽春の阿弥陀岳南稜

070415amida01「4月になったら歩きのトレーニングに八ヶ岳の雪稜に行きませんか」
摩利支天沢での一周忌の際、錦少年から誘われたとき、二つ返事でOKし、二人で相談して決めたのが阿弥陀岳でした。

当初は、広河原沢大滝を登攀した後、3ルンゼ右俣を詰めて南稜P3に直接取り付く計画でした。
ところが前日の朝、八ヶ岳一帯に降雪があり、気温も高めだったので、当初計画は中止とし、阿弥陀岳南稜のみの計画に変更しました。
雪崩も怖いし、ラッセルもしんどそうだったので、計画変更は正解でした。

小淵沢にある道の駅を未明に出発し、舟山十字路には4時過ぎに着きました。
5時少し前。ヘッドランプを点けて出発です。
凍った急坂を慎重に登って、南稜上に出ます。
ここからは長い道のりをスリップに注意しながら徐々に高度を上げていきました。

070415amida02立場山の長い登りの途中でアイゼンを装着。
一面雪原となった青ナギからは阿弥陀岳南稜や広河原沢奥壁の全貌が視界いっぱいに飛び込んできました。

今シーズンは暖冬で積雪は期待していませんでしたが、3月、4月に意外と低温が続いたせいか積雪は思ったよりも豊富です。
加えて前日の降雪(4,5cm位)が程良い新雪の薄化粧を施してくれました。

P1、P2と問題なく通過。
核心のP3は定石どおり、ピーク左側にトラバースして、3ルンゼ右俣の源頭部を直上しました。
070415amida07ここは最近、フィックスロープが設置してあり、夏には一般ハイカーも通過できるほど変わってしまったそうです。
さすがにこの時期のルンゼ内は雪と氷の世界で、フィックスロープも一部は氷の中に埋もれていました。

最後のP4を慎重に越えて、さあ後は頂上を踏むだけ。と思ったら、最後の最後に5m程の垂壁(III-程度)に行く手を阻まれてしまいました。
ここは錦少年がフリーで乗り越えて、若葉マーカーNobのためにお助け紐をぶら下げてくれました。感謝!

垂壁を越えれば雪の斜面が頂上へ私たちを導いてくれます。
一歩一歩高度を上げて、11時47分、阿弥陀岳頂上へ。
ちょうど同時刻に北稜側からは若い二人組が頂上に到着していました。
広い頂上を4人で独占です。
070415amida13「日帰りで南稜ですか。すごいですね。」なんて、若者たちからお世辞を言われてなんとなく心地よい気分になるのだからオジサンたちも困ったものです。

帰路は御小屋尾根を下りました。
尾根の上部が氷化していたので1箇所念のためロープを使いましたが、後は急な斜面をぐんぐん下って行けました。
早朝5時前に出発して、午後3時にはスタート地点の舟山十字路に。
長い一日でしたが、静かな陽春の八ヶ岳を堪能できました。

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2007.03.24

白い墓標

070324marishiten01あれから一年・・・
ふたたびこの氷瀑を訪れました。

ほとんど埋もれかかっているF1を越えると、大滝が眼前にその姿を現します。
その瞬間、私には雄大な白い墓標として目に映りました。


香華をたむけての献花、そして黙祷・・

070324marishiten02今日はかならずこの氷瀑を登るつもりです。
それが天国にいる彼女との約束です。

Oさん、そして錦少年さんがそれぞれにルートを決めてリードしていきました。
彼らの姿が視界から消えていき、つづいてSさんと私の番です。

この滝をリードで登れるほどの技量を持ち得ない私は、トップロープでトライさせてもらいました。
右手のバイルをしっかりと氷面に打ち込み、そして左手のバイルも同様に打ち込みながら、アイゼンをしっかり氷に乗せた時、体がふーっと上がりました。

070324marishiten03中盤、腕が疲れてきてフイフイに体を預ける場面もありました。
ギャップを越えて終了点が見えてきたとき、一瞬ですが彼女と一緒に登っている感覚にとらわれました。


きっと彼女が登らせてくれた大滝なのです。
先程までは白い墓標に見えた氷瀑が、登り終えた今はごく普通の氷の滝に戻ってくれました。

春がすぐそこまで迫っている八ヶ岳山麓に向けて、雪と氷の摩利支天沢を後にしました。

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2007.03.17

藤坂ロックガーデン再訪

070317frg001先週に引き続いて今週末もハイキングに出かける予定でしたが、