2015.08.13

etrex20を使ってみた

登山用のハンディGPSを5月に購入し、ある程度使ってみたので簡単にインプレします。

購入した機種は、「etrex20」(英語版)です。(現在はetrex20xが出ています。)
新型でもなんでもなく、発売後かなり経っている機種ですが、悪い評判を聞かないのでこれにしました。
ちなみに「20」と「20x」の違いは、画面の解像度のようです。

英語版ですが、別売地図の「日本高精密地形図 for GarminGPS 東日本版」をインストールすると地図もメニュー画面もすべて日本語表示になります。

じつは、etrexシリーズはこれで3台目です。
初代のetrex、2代目のetrex'H と使ってきましたが、いずれも地図がインストールできないので、もっぱらトッラクログの取得と経緯度表示による現在位置の確認に使用していました。

 真中がetrex20です。(左 Edge810J、右 etrex'H)
Etrex02

その後、サイクリング用として「Edge705」を購入し、それが故障してからは新たに購入した「Edge810J」を使用しています。
なんだかずいぶん購入したもんですね。
われながら呆れてしまいます。

自転車用のEdgeシリーズを使ってみて地図表示の利便性に納得。
登山用にこそ精細な地図表示ができる機種がほしかった次第です。

しばらくは、Edgeシリーズを携行してハイキングや登山もしていましたが、登山用として何度か使ったものの、ザック内にしまった時にボタン類が接触したはずみに誤動作したりしてログが取得できなかったり、画面表示自体が固まったりして使用できないことが続いたので、思い切ってアウトドア専用のetrexシリーズに回帰しました。

現行のetrexシリーズは20以上で地図ソフトがインストールできるので、最廉価版のetrex20で決定。
購入したお店(TKA Planet )には、前述した「日本高精密地形図」が別売で揃っているので、本体と一緒に購入しました。

ちなみに、本体と一緒に購入した地図は、一週間に1回以上の頻度でデータ更新されているとのこと。(国土地理院刊行「数値地図(国土基本情報)」の最新のデータを元に作成している。)
つまり購入した時点の最新のデータが入っている地図を購入できます。
市販の地図ソフトではデータ更新は1年に1回っていうのが普通だと思うので、それだけでもお得感はあります。

実際に山で使ってみた印象は、「必要にして十分。これ以上の機能は必要なし。」というところでしょうか。
メニューがわかりやすくて、直感的にすぐに使い始められます。
一番関心のあった地図の表示もクリアで「高精密」という言葉はウソではありませんね。

 簡潔でわかりやすいメニュー画面です。
Etrex04

起動してからの衛星を捕捉する時間もイライラ待たされることもなくて快適です。
アメリカのGPS衛星に加えて、ロシアの衛星GLONASSにも対応しており、それだけ信頼性の高い位置情報を得ることができるようです。
ちなみに日本の「みちびき」衛星にも対応していますが、1機しか上がっていないのであんまりメリットはないみたい。

山に行く前にヤマレコやカシミールなどで、行きたい山のルートのGPXファイルを本機にインストールすれば簡易のナビ機能が実現できるので山ではかなり使えます。
最近は単独行が多いので、事前に予定ルートを入れておけば道迷いはほとんど防げます。

 見やすい液晶画面
Etrex03

バッテリーは単三電池2個なので、アルカリ、リチウム、ニッケル水素となんでもOK。どこでも調達可能というのは大きなアドバンテージですね。
しかも、電池の持ちは公称25時間。話半分としても日中いっぱいは使えるので安心です。

もちろん山だけではもったいないので、サイクリングにも使ってみました。
簡易ナビ機能では右折左折直進等の案内は出ませんが、予定コースは太いカラーで表示されるのでまったく問題なし。
「高精密」な地図のおかげで、街中の走行も迷わずに走れました。

 専用のマウントで自転車にもOKです。
Etrex01

ただし、etrex20ではケイデンスや心拍は測れません。
ワングレード上のetrex30シリーズでは別売りのセンサーでそれらの表示が実現できるようです。
また、「30」には電子コンパスが内臓されていますが、私の場合はアナログのコンパスを携行するので電子コンパスは特に必要としません。(アナログのシルバコンパスの方が使いやすいし。)

つまり、山でもサイクリングでも使いたい人は30シリーズを、山を中心に楽しみたい人は20シリーズでOKということでしょうかね。

山で使用する時は、ザックのウェストベルトに付いているサイドポケットに入れていますが、問題なく受信できます。
欲を言えばサイズ的にもう少し薄いと良いと思います。
手に持った時は納まりは良いのですが、ポケットが小さいとちょっときつく感じます。
それ以外は文句はありません。

ちなみに、私が購入したお店はサポートが手厚いです。
じつは購入後、PCとの接続が不安定でお手上げでした。
結局は、PCに入れていた常駐ソフトの一種と本機との相性が原因のようでしたが、交換も含めてとても誠実に対応してくれました。
些細な疑問のメールにもすぐに回答してくれて大いに助かっています。
こういう点も含めて、買って良かったハンディGPSだと思っています。

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2010.07.06

edge705のナビ機能をはじめて使う

R0011354s

先日の蔵王"挫折"ヒルクライムではedge705のナビ機能を初めて使ってみました。
白石蔵王駅から遠刈田温泉を経て仙台市内までのツーリングです。
約80kmと短い行程ですが、何しろ初めての土地柄なので「使えるものは何でも使え」でナビ機能を使ってみた次第です。

ところで、私のedge705にはナビ機能のベースとなる地図がまだインストールされていません。
Garmin社のハンディGPS用の地図として定評のあるアップダウン製作所(通称:UUD)製の地図をインストールしたいと思い、購入しようとしたら「8月にバージョンアップします」とのアナウンスが。
あと2ヶ月待てば最新地図が入手できるのなら、現時点で現行版を購入するのはもったいないのでパスしました。

そこで、ネットでいろいろと調べたら、ありました。フリーの地図が。
さっそく遠藤眞様作成のフリーソフト版の地図データを入手しました。

しかし、これだけではまだ地図を使うことはできません。
「sendmap20」というファイル生成ソフトを利用して、エリア毎あるいは情報毎に分離されている地図データファイルを結合して、GPS(この場合edge705)が読める形のファイルを生成する作業が必要になります。
生成された地図ファイルは、PCからマイクロSDなどの外部メモリカードに書き込んだ上でedge705から読み取ることになりますが、ここら辺りの詳しい説明は前述したUUDのサイトにかなり詳しく掲載されていました。

ブログに書くと難しくなっちゃいますが、UUDのサイトでの説明はアラ還世代の私でも十分に理解できたので、比較的簡単な作業ですから安心してください。(笑)
しかし、無料というのは結構たいへんなのですね。

遠藤様作成のフリー地図データは全国を網羅しているわけではありませんが、私が出かけたいエリアはほぼ全て網羅されています。
個人で数値データを入力されたご努力には本当に頭が下がります。(感謝!感謝!)
とはいえ、市販品のように詳細な地図を期待しているとがっかりするかも。
でもまあ、主要道路や鉄道、市役所、駅などは表示されますので、自分が大体どの辺りにいるのかはわかりますよ。(当たり前のことながらすべて英語=ローマ字表記です。)

さて、地図も本体に格納できたので、次はいよいよ走るコースをedge705本体にダウンロードする作業です。
これには強い味方があります。
Yahooが提供している「ルートラボ」で作成したコースを拡張子.gpxファイルとして出力できるサービスを利用すれば簡単にできちゃいます。

こうしてできたgpxファイルは「なんじゃらほんじゃら.gpx」と非常に長たらしい名前なので、これを「zao_to_sendai.gpx」などの簡単でわかりやすいファイル名にリネームして、PCに接続したedge705本体の「garmin」フォルダ内にある「gpx」フォルダにコピペすればおしまいです。
ちなみに、edge705をPCにUSB接続すると、マスストレージとして自動認識されるので、デバイスの一種として容易に取り扱うことができるので本当に便利ですねー。

あとは、スタート地点(ナビ開始地点)で、メニュー → where To? → Saved Rides → ナビコース を選択し、Navigate開始を押せば晴れてナビが開始されます。(結構感動!)
今回の場合、白石蔵王駅前でルートナビを開始しました。

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ナビ機能はとても強力です。っていうか、強力過ぎます。(笑)
道路がほんの少しだけ左右どちらかにカーブしているだけでも「ピッ」と音がして、画面上に「go northwest」などという案内表示が出てきます。
案内表示中は他の画面(通常画面)は表示されないので、曲がりくねったコースの場合は、案内表示ばかりで通常画面はほとんど表示されず、かえって不便です。

カーナビのように、道なりの場合は案内なし(「この先しばらく道なりに進みます」)でも良いのですが・・・
とはいえ、右折や左折をするポイントまでの距離も表示されますので、GPSの測位機能が正しければ、ほぼ道迷いはしないで済みます。

私のように詳細な地図がインストールされていなくても、ナビ機能は働いていますので、地図上に道路が表示されていなくても、ナビで示されたコースは太い線で表示されるのでまったく問題ありませんでした。

見知らぬ土地でT字路に出くわす度に紙の地図を取り出さなくても良いので本当に助かりました。
ただし、ルートの途中でナビ機能を切ってしまう(stop navigation)と、ナビ機能が正常に働かなくなり、とんちんかんな案内になってしまいました。
このあたりは、カーナビにはまだまだ敵いませんね。(私の操作が未熟なせいかも知れませんが。)

しかし、その点を差し引いたとしても、edge705のナビ機能は十分に使えると感じました。
ナビ機能がない分安価なedge500とどちらにしようかと悩みましたが、705にしておいて正解だったと思います。

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2010.06.12

Edge705を購入

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ついに買っちゃいました。edge705。
GARMIN社製のGPSとしては3台目です。
若葉マーク付き自転車乗りのくせにGPSだけは3台目?
前の2台は登山用として購入しました。
最初にGPSを使ったのは6年前になりますが、登山(とくに雪山)では安全面で大きな力を発揮してくれました。

特に2台目のGARMIN eTrexは、高感度チップを内蔵した優れものでいまでも現役です。
いままで2台目のeTrexを自転車にも使っていましたが、GPSロガーとしては十分なのですが、ナビ機能はないので見知らぬ土地に出かけるときは紙の地図が必携でした。

自転車に乗っていていちいち地図を開いて見るのは意外と面倒くさいものです。
そこでだんだんとナビ機能付きのGPSが欲しくなった次第。
この方面での優れものといえばやはりEdge705をおいて他にはありません。

ネックは値段の高さです。
さんざん迷ったあげく、この夏のホイール交換を諦めて705にしました。
冷静に考えればホイールなんだろうなあ。
でも、この手の機械(オモチャ)には目のない私にとっては、抗しきれない魅力があるのです。(笑)

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最初は英国のWiggleで購入しようと思いましたが、ある国内通販サイトの「日本語ガイドブック付き」「保証対応も国内の窓口でOK」という謳い文句に誘われて、国内のサイトで購入しました。
Wiggleとの価格差は3,800円ほどです。
日本語マニュアルと保証の窓口が国内にあるという安心感を考慮すると、この価格差なら納得です。

スピード&ケイデンスセンサーに心拍計とGPSが付いているので心強いですね。
あと市販の国内マップ(残念ながら英語版)を購入すれば、ナビ機能も使えるので楽しみです。
少しずつ使い方を覚えていきます。

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2008.01.20

eTrex の新機種を使ってみました

R0010693sハンディGPSのベーシックタイプであるガーミン社の「eTrex」。
eTrexを購入してから4年近くの月日が経ちました。

いろいろな山に持っていき、現在位置の測定や目的地までの方向・距離の割り出し、さらには下山地点までのナビなどに活躍してくれました。
ただ、電源ONしてから衛星からの電波を受信して実際に使えるようになるまでに何分間かのロスがあること、そして、樹林帯での受信時にトラック(軌跡)が途切れることがあることなどが不満といえば不満な点でした。


R0010695seTrexの新機種「eTrex H」は、これら従来機の弱点を克服しています。
受信感度は大幅に向上しています。
今まで受信できなかった山林中でも受信可能範囲が広がっています。
また、軌跡ポイント数が従来機種の1,536ポイントから10,000ポイントに大幅に向上しました。その結果、途中で上書きされる懸念は大幅に解消されています。

とりあえずWAASにも対応したし、表面上は良いことずくめなのですが、ひとつだけ問題が。
受信感度の向上の代償として消費電流が大きくなり、電池の持ち時間が従来機種の単三アルカリで22時間から新機種「H」は17時間と減少してしまったことです。

感度をとるか、電池の持ちをとるか。
むずかしい選択ですが、電池はエネループや低温に強い単三リチウムを使うことにして「山中での受信感度」をとることにしました。

その結果が、写真とマップのとおりです。
上の写真は屋内で電源ONしてから約1分後です。
従来機はまだ衛星を探していますが、右側の「eTrex H」はとりあえず衛星を4個受信完了しています。
さらに1分後、左側の従来機はギブアップしたのに対して、「eTrex H」は屋内でありながら8個の衛星を捉えることに成功しています。

Sarugi_map25000左のマップは、先日歩いた奥多摩のサルギ尾根のものです。
ずっと樹林帯下での歩きが続きましたが、軌跡は途切れることなく続いてくれました。
軌跡ポイント数の合計は、2,183個でした。従来機では1,536個を超える軌跡ログはスタート地点から上書きされてしまいますがそれも杞憂でした。

価格は従来機(eTrex)よりも少し上がりましたが、それでも¥17,900 は、最近の高機能版ハンディGPSに比べてお値打ち価格だと思います。

ちなみに奥多摩・サルギ尾根の記録はこちら

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2007.05.22

GPSと友達になろう

070519sogakusan01先日の土曜日は雨模様。
雨降りの間隙を縫って奥多摩にハイキングに出かけてきました。
目的地は高水三山の一角を成す惣岳山(756m)です。

高水三山のハイキングコースにあるこの山は展望が利かないため、山頂にある青渭神社にお参りしたらそそくさと立ち去るハイカーがほとんどです。

そんな地味な惣岳山ですが、この山を取り巻く衛星峰ともいえる馬仏山(723m)と神塚山(624m)の2峰を組み合わせた静かな尾根道(踏み跡ですが…)は、普通のガイドブックには紹介されていませんが、なかなか歩きがいのあるコースでした。
惣岳山の山頂以外では誰にも出会うことのない静かなハイキングを楽しむことができました。

070519sogakusan02さて、今回の目的は、GPSの操作方法を実地で習得することです。
最近GPSを購入したばかりだというSyoさん、GPS操作ではすでにベテランの域にある竜少年さんのお二人が同行者です。

「降雨後の植林地帯を歩く」というGPSにはもっとも苦手なコンディションでしたが、なんとか電波を拾い続けてくれました。

現在位置の確認、あらかじめプリセットしておいたウェイポイントを目指してのナビ機能確認、ウェイポイントの作成法等々を現地で確認しながらのハイキングは和気あいあいとした楽しい一時です。

070519sogakusan04GPS初体験のSyoさんも、その位置精度の高さに舌を巻いていました。
内蔵の高度計も気圧高度計顔負けの高性能ですし、1万7千円という価格は決して高くはないと、改めて実感しました。

ただし、注意しなければいけないことは、GPSに全面的に頼ってはいけないということ。
位置出しの基本は、やはりコンパスと地図ですね。
これを補完するツールとしてGPSがあるのだと思います。
電池が切れたらタダの箱です。
地図を読む力がある人が使ってはじめて威力を発揮するツールだということを肝に銘じておきたいものです。
070519

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2006.10.20

GPS vs 地形図

先日歩いた那須のGPSトラック(軌跡)データです。
カシミール3D上に1/25000地形図を呼び出して、そこにトラックデータをプロットしてみました。

061015nasu_data2_1那須連峰は標高の割に高山性を色濃く帯びた山容で、だいたい標高1600m以上は笹原やハイマツ帯になっています。
おかげでGPS衛星の電波をよく受信できるため、位置精度はかなり良い成績でした。
その証拠に登山口の駐車場から大峠までの稜線歩きでは登山道とほぼ一致した軌跡を示していますね。

ところが、大峠から三斗小屋温泉までの樹林帯になると軌跡と登山道を示す破線記号はかなりズレを示します。
沢を3本渡渉し、支尾根を2つ回り込みますが、GPSの軌跡はおおむね登山道の西側を辿っていました。

うーん、どっちが正解なのでしょうか?
三斗小屋温泉に至ると軌跡と登山道は再び一致します。
GPSは樹林下では電波を拾いづらいので位置精度は悪くなりますが、おなじく樹林下にある三斗小屋温泉の位置は正確だったので、今回程度の樹相ではあまり影響は少ないのかもしれません。
ということは、地形図の登山道の表示位置に誤差があるのかも?
しかし、峠沢から中ノ沢にかけての軌跡も少し不自然だし、判断は難しいですね。

地形図も最新版はGPSを活用した精度の高い測量成果をもとに作成されていますが、すべての事物をGPSで測っている訳ではありません。
従来からの航空写真測量も併用しているだろうし、樹林下の登山道などの表示にはかなりアバウトな面もあるのでしょうね。

さて、軌跡データの表示は、三斗小屋から姥ヶ平分岐手前で忽然と消えています。
なぜか?
答えは簡単です。使いかけの電池を使ったたためのバッテリー切れでした。(笑)

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2004.12.15

先を越される

今日はヤマケイの発売日。
別に熱心な読者ではなく、普段は図書館や書店の立ち読みで済ませているのだが、年末に出る新年号だけはオマケの登山手帳(山の便利帳)目当てに毎年購入している。
買って帰ってなにげなくぱらぱらとページをめくっていたら、その66ページに。
な、なにー!
「北緯37度00分00秒、東経139度00分00秒に世界で初めて到達…」の文字が目に飛び込んできた。
「ヤラレタ!」
この交点は7月31日付けの小屋番日記にも書いたが、国内の陸地に残された数少ない未踏の交点。来春の残雪期に挑戦しようと思って、結構マジにプロジェクトを立てていたものだ。

行くなら残雪期。まさか、藪深い無雪期に挑むヤツがいるとは思わなかった。
どんな連中かと写真を見ると。うーむ、若い!どう見ても20歳代の4人組だ。
これじゃあ勝てないなあ。
しかし、交点はいい場所にあった。予想どおり藪深いものの巻機山周辺の変化に富んだ稜線の山腹にある。10月16日から18日にかけて到達したとある。
そうか。私が越後中ノ岳に登っていたときに、彼らはお隣の巻機山から三ツ石山にかけての稜線でGPS片手にヤブコギに奮闘していたのか。そう思ったら、急に彼らに親しみを感じてきた。
7月の下旬に交点の存在を知り、3ヶ月足らずで実行に移した若者たち。
そんな彼らを素直に称えてあげたい。
Congratulations!

よーし!予定どおり来春めざすぞ!N37-E139の交点へ!

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2004.10.13

日本経緯度原点を訪ねて

日本経緯度原点
原点の標石(右の金属標)

地下鉄日比谷線神谷町駅を下りて飯倉方面に緩やかに続く坂を上がっていくと、機動隊のものものしい警備態勢に囲まれたロシア大使館が見えてくる。
大使館の手前東側、塀に沿った小道を100mほど歩いた突き当たり右側にそれはあった。

先日、この日記でも話題にしたGPSの表示測地系のことで、日本の経緯度原点が麻布界隈にあることを知った。
体育の日の3連休も台風22号の襲来とそれに続く秋雨前線の停滞で、山に出かける気が起きなかったので、東京に出たついでに立ち寄ってみることにした。

何しろ、日本の測量の原点であるし、「日本国道路元標」(日本の道路の原点)があるお江戸日本橋並に騒々しい場所か、あるいは深田百名山のピークみたいに「原点詣で」の人々で賑わう「名所」になっているのかと興味津々であった。
原点とGPS
ところがどっこい。
原点である旨の看板がなければそれと気づかないほど静かな場所だった。
まわりは中央官庁合同会議所、アメリカンクラブといった建物群に囲まれているが、休日のせいか本当に静かだ。
私みたいな物好きが記念撮影に訪れるのかと思って、しばらく休んでいたが誰も訪れない。

原点の由来書きが立派な石版に刻んであったので読んでみる。
『日本経緯度原点は、我が国における地理学的経緯度を決めるための基準となる点である。・・・』
それによれば、明治25年にこの地に天文台があり、そこの子午環(天体の子午線通過時刻と高度を同時に測定する装置。)の位置を日本経緯度原点と定めたものの、大正12年の関東大震災で焼失したため、おなじ場所に金属標を埋めたのが現在の原点だということである。

そして、平成13年に測量法が改正され、翌平成14年4月1日から施行されたのが、世界測地系による最新の経緯度表示ということになる。
現在の経緯度原点の経緯度は、
東経 139度44分28秒8759
北緯  35度39分29秒1572  とのこと。
自分のガーミンGPSで測ってみたら…
つまり、ここに来てGPSをかざしてみれば、自分の持っているGPSの精度が一目でわかるわけである。
GPS精度を確かめるのにこの場所ほど適したところは日本中どこをさがしてもないと言い切れる。
さて、わが愛機ガーミンeTrexの精度はどうなんだろう?
上の写真がその証拠写真。ちょっとぼやけてるけど、
N  35度39分29秒2
E 139度44分28秒9 … と読める。

1/10秒単位でドンピシャリ! やったね(^^)v

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2004.10.05

GPS機能付き携帯電話

 先日、北アルプスの餓鬼岳を登山中にメンバーの一人が持っていたGPS機能付きの携帯電話が話題になった。
 そこでGPSとしての精度はどうだろうかと、いま立っている地点の経緯度を測ってみた。
登山前にカシミール3Dから経緯度線が10秒単位でメッシュ状に記入された地図を印刷しておいたので、それと比較すれば大体の精度はわかる。
 最初は餓鬼岳小屋で測定してみた。携帯GPSで表示された経緯度表示を地図に落としたところ約400mほど南東方向にズレていた。「おかしいなあ?」とは思ったが、そこでは気づかずに翌日に今度は約2km離れたピークで再度測定してみた。やはり、約400mほど南東方向にズレている。
 ここですぐに気づけば良かったのだが、あいにく浅い知識しか持ち合わせていないNobのこと。このズレの持つ意味をその時はどうしても気づくことができなかった。

 ここまで読んでいただけた賢明なる読者諸兄はすでにおわかりのことだと思う。
 そう。そうなんです。
 GPS付き携帯電話の表示する測地系はなぜか「日本測地系」だったのです。

 測量法が平成14年4月1日から改正施行され、これまでの日本測地系から世界測地系に移行したことは周知のとおりである。
 位置のズレについて、すぐにそれと判断できなかったことは、測量を少しかじった者としては恥ずかしいかぎりである。

 GPSは初期設定では「世界測地系で表示」されるものであると思いこんでいた私も浅はかだったが、それにしてもGPS付き携帯電話にも困ったものである。
 測量法は2年以上も前に改正されたのだし、そもそもGPS(全地球測位システム)自体がアメリカの軍用システムとして発展してきた経緯からWGS84(World Geodetic System 1984の略語。WGS84は、米国が構築・維持している世界測地系のこと。) に準拠しているのだから当然、初期設定では世界測地系で経緯度を表示すべきである。

・・・
 まあ、それはともかくとして、インプットされている経験・知識をいつでも自在に動員して即時に応用・判断できること。これこそが「経験豊富な登山者=ベテラン」としての資格なんだろうな。
うーむ。そういう境地に達するのはいつのことになるのやら…。

 ちなみに、「GPS付き携帯電話」の位置精度は表示される測地系のことは別として、まずまずだったが、携帯の「圏外」だと使えなかった。山や海で本格的に使うには限界があることを忘れないでおこう。

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2004.07.31

わが交点プロジェクト

事情があって、山に行けない日々が続くと、精神の安定を維持するのに苦労する。
山好きが山に行けないときは別のことを考えていればいいのに、なぜか先日来、緯度経度の交点を探し出す「交点プロジェクト」が気にかかっている。
北緯37°東経139°の交点は日本では数少ない未踏の交点らしい。
2004年7月31日現在、「This confluence has not been visited.」なのである。
場所は新潟県六日町から約13kmほど山の中に入ったところ。名峰巻機山の北東にある。

手元には奥利根の先達である小泉共司さんの名著「奥利根の山と谷」があるので、さっそくどんなところか調べてみた。
うーむ。交点とおぼしきところは、利根分水嶺の一峰である三ツ石山から派生する三ツ石尾根のさらに枝尾根の付近だ。同書によれば、三ツ石尾根自体年に2~3パーティー入ればいい方だとか。(^^;
残雪期の記録もほとんどない。三国川側からのアプローチは軟弱な私には無理だなあ。

それでもめげずに自分なりに交点プロジェクトをたててみた。
行くなら六日町側からである。
残雪期、清水集落から井戸尾根をたどり巻機山、牛ヶ岳を経て三ツ石山にベースを張る。そこからスノーシューを履きGPSを頼りに交点を探しだし、往復を果たす。翌日は往路を戻る。
しめて2泊3日の交点探求ツアーである。
時期は4月上中旬が日も長くなるし、残雪も適度にあるのでいいかもしれない。

ここのところ坐骨神経痛に苦しめられているので、一人ではきつい。だれかポーターを雇わなくては。(^^;
若くて元気があって、テント山行を苦にせず、ついでに食当も買ってでてくれそうな奇特な人はいないかなあ。
うん、そういえばそんな人間いたなあ。

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