
今年の2月、スノーシューイングで訪れた入笠山はお花畑でも有名な山です。
本当は5月下旬から6月下旬にかけての初夏の頃がベストなんでしょうが、なかなか日程が取れず7月に訪れてみました。
この山、山麓のスキー場にあるゴンドラを使えば一気に標高1,800mまで上がれちゃうんですが、これは奥さんと一緒の時まで封印するとして、今回は駅からサイクリングで入笠山をめざします。
走ったコースとプロフィールマップをルートラボで表示する
サイクリングといっても、富士見駅側から林道を直上するのは急坂続き(平均勾配9%以上)なのでパス。
どうしようかな?と思案していたらネット上にたまりんどさんの杖突峠からの記録がアップされていたので参考にさせてもらいました。
標高差約1,100mを36kmかけて上るので、オジサンでも何とかなりそうです。
今日のスタート駅である青柳駅は無人駅でした

それにしても、青柳駅までは遠いです。
自宅最寄りの駅を始発で出て、4時間半以上かけてようやくたどり着きました。
特急を使えば時間短縮できるのはわかってますが、先立つものがねぇ。
いつもならヒマを持て余すところですが、今回はフォールディングバイクを携えたチャリダーさんが偶然隣り合わせたので、自転車&ハイキング談義で盛り上がりました。
聞けば、今日は日向山(花崗岩で有名な甲斐駒前衛の山です。)に登るのだとか。
駅からバスに乗り込み、登山口にバイクを置いてから登山を開始。下りてきたらバイクで林道を一気に下って駅まで走るそうです。彼はその方法でいろんな山に出かけているとのこと、
なるほど、フォールディングバイクならバスに載せられるので、そういう楽しみ方もできるのですね。
ちなみに彼のバイクはバイク技術研究所のYS-Bikeシリーズで7kg台の超軽量バイクだとか。ウラヤマシイ。
さて、青柳駅でアオトレック君を組み立てていざ出発します。
いやー、今日もかなりの暑さです。
最初の関門は交通量の多い板室トンネルの通過です

二輪車用の押しボタンを発見!

先ずは国道20号を茅野方面に進みますが、途中の板室バイパスにあるトンネルの通過が怖かった。
トンネル入口によく見ると二輪車用の押しボタンがあったので、これを押して右側に移動します。
するとトンネル右側に二輪車用の通路が設けてありました。
ふー、この通路がないと怖くて走れませんよ。
二輪専用通路のおかげで安全に通過できました

茅野市に入り、コンビニで補給食を調達します。
山中、補給ができないので、この時期はピンチ食と水分は必須です。食べ物も水も多めに仕入れたため背中のバックはパンパンになりました。
そしていよいよ国道152号の上りが始まります。
杖突峠までの上りは、急坂はないものの暑さにやられてピッチが上がりません。
大汗をかきながらエッチラオッチラでようやく峠のドライブインに到着。
無料の展望台に上がり下界を眺めるものの暑さによる靄で見通しは良くありません。
それでも、結構上ったなあと実感できる高度感でした。
杖突峠手前にあるドライブインからの展望です

ドライブインからさらに少し上ったところが杖突峠でした。
ここを直進すると高遠から伊那市街へ、左折すれば入笠山に達します。
無論ここで左折します。
この分岐を左折するるといよいよ入笠山への上りが始まります

今回のコースは入笠山の東側から大きく北に回り込んで南下することになります。
初めて走るコースを辿るのは楽しいですねえ。
ゴルフ場まではきれいな舗装が続きますが、その先からは道幅も狭くなり路面には亀の子クラックが目立つようになります。路面の凹凸も激しく、あんまり快適とはいえませんね。
とても静かな千代田湖にはキャンプ場がありました

やがて大きく下って千代田湖に到着。
「湖」というよりも「池」という感じの方が合いそうですが、とても静かな湖畔にはテントが一張ありました。
伊那市の市営キャンプ場になっているようです。
静かな湖畔の森の影から・・♪

ここまで走ってきても先はまだまだで標識には「入笠山まで13.5km」の文字が・・。
それにしてもこのコース、アップダウンを繰り返しながら上っていくので効率はあまり良くないです。
コース全体の平均勾配は3%台なんですが、体感斜度はもっと高いですね。
全身から玉のような汗がほとばしるっていう表現は決して大げさではありませんよ。
なにしろ、サイコンやハンドルはビショビショ状態でしたからね。
標高が上がるにつれ高原の雰囲気に・・・

とはいえ、標高が1,500mを過ぎてからはさすがに冷気が勝ってきます。
周りの景色も高原の感じになってきてグッドです。
のびやかな入笠牧場で一休み

やがて、牧場のエリア内に誘われるように入っていきました。
走っていくといきなり幅が30センチ位の間隔で鉄パイプで組まれた橋みたいなものが現れてびっくり。
あとで知ったのですが、「テキサスゲート」といって牛がエリア外に出ないようにするための障害ゲートとのこと。
恐怖のテキサスゲート。はまったら確実に落車します。

なるほど、人間も車も渡れるけど牛では渡れません。
そして、自転車も渡れませんよこれでは。
今回は上りでスピードが出てないから止まれたけど、下りで速度が出ていたらヤバイなあ。落車間違いなし!
牧場内のゆるやかな道をのんびりたどれば、入笠山まではあとわずかです。
いきなり人の話し声が聞こえてきたと思ったら御所平にあるマナスル山荘前に到着しました。
時刻は12時40分。ここまで3時間10分もかかった計算です。やれやれです。
入笠山頂まではここから20分程度で登れるのはわかっていますが、2月にも来てるし今日はパスします。
それよりも周辺のお花畑やマナスル山荘名物のビーフシチューに時間を割きたい!
ようやくマナスル山荘前に到着しました。

まずはお花畑。
うーん、さすがは花の山ですねー。
アヤメやニッコウキスゲ、それにハクサンフウロ、キバナノヤマオダマキなどが咲き誇っていますよ。
特にアヤメの群生はすごいです。さすがです。大切に保全されています。
シカ等からの食害から守るために鹿柵やゲートが設置されていました。
まずはお花畑の様子をご覧ください




お花畑の下にある入笠湿原にも足をのばしてみました。
こちらにはアヤメに加えて、クリンソウやウマノアシガタ、レンゲツツジなどもまだ楽しめました。



残念ながら楽しみにしていたスズランやアツモリソウはもう終わりのようです。
やはり、6月中下旬に訪れれば良かったなあ。
とはいえ、十分に目の保養になりました。
山の花々の鑑賞後は、お待ちかねのビーフシチューです。
マナスル山荘の名物ということで、前回訪れた時にチェックしておいたメニューです。
そのお味は?
うーん、想像以上によく煮込まれた牛肉とルウは絶品ですね。
これは美味い!
できれば2月の雪の時期に食べたかったなあ。
これはゼッタイにオススメのメニューです

というわけで、二つのミッションは達成したのであとは大河原湿原の散策を終えれば富士見駅までのダウンヒルを残すだけ。
その大河原湿原までの道のりに本日一番の急坂(平均斜度10%)が残っていましたよ。
距離は1km足らずでしたが、満腹の後だけに脚が回らなかった。orz
急坂を越えてしばしで大河原湿原に到着。
この2月にスノーシューで歩いた湿原ですが、今回はよく整備された木道をお散歩します。
咲き残りのレンゲツツジが迎えてくれました。
乾燥化が進んだ老年期の湿原ですが、静かで良い雰囲気です。時間があればその先のテイ沢まで足をのばしたかった。
入笠山周辺にあって静かな雰囲気を残す大河原湿原

そして最後は富士見駅までの平均斜度9%超のダウンヒル。
林道のところどころにグレーチングが設置されているので、それなりに神経をつかいました。
また、傾斜も急なので上ハンでは疲れるため下ハンを握って下りますが、これはこれで首が疲れちゃいます。
ま、そうは言っても標高1,835mの大河原湿原から標高955mの富士見駅までの12.8kmを約35分で駆け下りた計算になります。
下界に下りたら八ヶ岳が姿を現しました(左から阿弥陀、赤、西、権現、編笠)

やっぱり下りは早いですね。
富士見駅は中央本線で最高標高を誇る駅ですが、それでもやっぱり暑かった。
35分前までいた高原の涼風が懐かしく感じられました。
富士見駅に無事にゴール!

【感想】
今回は距離が50km程度と短かったので、翌日に予定されていたクラブのサイクルイベントに参加する気持ちでいたのですが、富士見駅まで下りてきたら想像以上に疲れている自分に愕然としました。
水分は相当補給したつもりでも、まだまだ足りなかったみたいです。
夏場のサイクリングでの水分をはじめとしたエネルギー補給の大切さを改めて認識させられました。
DATA
-------------------------
DATE : 2017.7.8
距離 : 51.12 km
累積標高 : 1,796 m
移動時間 : 3:32:45
経過時間 : 4:59:13
平均速度 : 10.3 km/h
平均移動速度 : 14.4 km/h
Recent Comments