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2015.09.24

那須の山々を歩く(高雄口~南月山~茶臼岳~中の大倉尾根)

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シルバーウィークは全国的に晴天の日が多かったようですね。
それまでが冷雨や大水害などもあり、気持ちが落ち込むことが多かったので、この秋晴れは本当に良かった。

そういうわけで、私も20日(日)に那須の山々を歩いてきました。
事前の天気予報も「晴れ」を報じていたので安心して入山したのですが、稜線上はまさかの強風とガス。
え、話が違うんじゃ?
結局、私が稜線にとどまっていた間中、視界はほとんどなしという散々な秋山ハイキングでした。
そして、皮肉なことに下山後に稜線を振り返ると山々はきれいに晴れ上がっていました。

歩いたコースのくわしい内容をヤマレコで表示する

登山路に使ったのは高雄温泉口です。
那須湯本から少し山に入ったところにある高雄温泉には今、格安宿泊施設が1軒建っています。
ここからの道はかつてはよく歩かれていましたが、峠の茶屋に県営の大きな駐車場ができてからは歩く人も極端に減ってしまいました。
それだけに静けさを求める人には好都合のルートでもあります。

 ここから高雄口の本格的な登りが始まります
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車道をしばらく歩き、別荘地を抜けると山道に入ります。
町の水源施設の管理道路にもなっているみたいで、コース前半は刈り払いもされていて歩きやすかった。
やがて飯盛温泉跡に到着。

 高雄口は、地味な登りが続きます。
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昔はここに温泉旅館があったとのことですが今は面影をさがしても見つかりません。
このあたりから沢状になり道もか細くなってきます。
沢なのか登山道なのかわからない地点では、道を見失ってしまいました。
ま、ガーミン君があるのですぐに登山道に復帰できましたが。

 沢沿いにはダイモンジソウが咲いていた
Daimonjisou

それにしても、天気悪いなあ・・
あたりは紅葉も始まっていて雰囲気は悪くないのですが、空は一面の曇り空でテンションが下がります。
やがて、樹林帯を抜け森林限界に達すると牛ヶ首はもうすぐの筈。
ガスが立ち込めて、さらには硫黄の噴気孔近くを通過するのでちょっと不安。なるべく火山性ガスを吸わないように歩いたらまたルートを外してしまった。

 じつに面白くない登りです
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 登りついた牛ヶ首のコル
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とはいえ、上に上に登って行けばいいので、そのまま歩いていたら牛ヶ首に到着。やれやれです。
なにも見えないコルを後に日の出平から南月山をめざします。
茶臼岳の南部はハイカーの訪れも少ないので私の好きな稜線です。
沼ッ原から白笹山を経て南月山、日の出平に続く尾根筋は静かでかつ展望も良くてお勧めのコース。
今日は南月山往復にとどめて進路を北に向かう予定です。

 日の出平から南月山へ続く稜線もガスの中
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もう9月も下旬なのに、稜線上にはイワインチンやトリカブト、オヤマリンドウ等の高山植物が咲いていてガスで展望なしの寂しさをなぐさめてくれました。

 黄色い花のイワインチン
S

 紫色のオヤマリンドウ
Rindous

なだらかな南月山頂上は本来なら茶臼岳方面の大展望が得られるところですが、今日は真っ白の世界です。
山頂にある祠の脇にはマツムシソウが2輪咲いていたのが印象的でした。

ガスに加えて風も強く、おまけに霧雨も降ってきたのでとにかく下山開始。
往路を牛ヶ首まで戻り、久しぶりに茶臼岳を登ることにしました。
那須の山々には小学生の頃から数えると何十回となく登っていますが、茶臼岳には数えるほどしか登っていません。
理由は、硫黄のガス臭が苦手なことと、人が多いこと。
とくに百名山ブームになってからは、足が向きません。この山は私にとっては登るよりも遠くから眺める山です。

 とりあえず茶臼岳山頂です。
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案の定、こんな天気の中でも茶臼岳に登るハイカーはたくさんいました。
それらの人にまじってガスの中の山頂に立ちました。

今日はこんな天気なので、峰の茶屋跡から大丸温泉に下山しようかとも思いましたが、まだ時間が早いので予定どおり中の大倉尾根を経由して平成の森まで歩くことにしました。

峰の茶屋跡のコルから登り返して朝日岳の肩へ。
その後、熊見曽根から1900m峰を経て清水平に向かいます。
このあたりは紅葉がかなり進んでいて、晴れていればさぞ美しいだろうなあと想像しながら歩きました。

 晴れていればそれなりの景色だと思いますよ
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やがて中の大倉尾根分岐に到着。
ここから三本槍岳までは往復しても45分位なので食指が動きましたが、この天気では何が何でも行こうという気になれず、そのまま北温泉に向けて下山を開始します。

下山路の中の大倉尾根は、山麓にあるマウントジーンズスキー場のゴンドラができたおかげで登山道が整備し直され歩きやすくなっていました。
昔は道が深くえぐられていて非常に歩きづらかったのですが籠マットを敷いてくれたおかげで助かりました。

 せっかくの紅葉もこれじゃガッカリだなあ。
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また、スキー場のゴンドラを使えば三本槍岳を容易に往復することができます。特に積雪期は日帰りで冬山を楽しめることが可能なので利用価値は高いですね。

尾根をずんずん下っていくと稜線のガスがみるみる晴れ上がってきました。
悔しいなあ、じつに悔しいです。
スキー場への分岐を見送り、北温泉に下っていく道は昔ながらの悪い道でしたが短い間のこと。
やがて懐かしい北湯に到着。
今は秘湯ブームで結構入湯客もいるみたいです。

 入湯客でにぎわう北湯
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車道に出たらバス停のある那須平成の森をめざしました。
森の中の遊歩道を歩き、フィールドセンターまで約1.5km。ようやく本日のゴールに到着。
フィールドセンターからは歩いてきたガスの晴れた茶臼岳や朝日岳がきれいに浮かんで見えました。
いやー、まったくもって悔しいハイキングでした。

 下山したら晴れちゃったよ。(左、茶臼岳、右、朝日岳)
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【追記】
展望皆無のハイキングがあまりにも悔しかったので、翌日にロープウェイを使って南月山まで行ってきました。
晴れていればこんな景色が見られたという見本をお見せします。

 牛ヶ首付近からの日の出平
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 遠くの山並みは飯豊連峰ですね
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 昨日も歩いた稜線です。
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 大倉山と三倉山です
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 紅葉に彩られた茶臼岳
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 姥ヶ平のひょうたん池
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2015.09.06

北アルプス・笠ヶ岳に登ってきた

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槍穂高連峰の稜線を歩いたことがある人ならわかると思いますが、稜線の西側(飛騨側)に連なる優美な山並みがあるのを。
「ぜひ一度は歩いてみたいなあ。」と思わずにはいられないでしょう。
山好きをそんな気にさせる山こそが笠ヶ岳です。

標高は2,897m。八ヶ岳の赤岳にも若干劣りますが、端正で美しい山容は多くの人々を魅了します。
いつかは登ってみたいと思いながら登山口からの標高差が1800m近くもあるのでなかなかふんぎりがつきませんでした。
今回、高校時代の古い山仲間から笠ヶ岳登山の誘いがあったので「渡りに船」とばかりに同行することになりました。

例によって、詳しい山の記録はヤマレコに譲るとして、ブログでは山の感想を書き留めます。

歩いたコースのくわしい内容をヤマレコで表示する

出かける一週間ほど前から山の天気をチェックしてましたがほとんど雨ばかり。
こんな長雨もめずらしいですね。
高速バスの予約はひと月ほど前にしてあったので、この長雨には気持ちが凹みました。
それでも土曜日(5日)に晴れマークが付いたのでホッと一安心。

入山初日の金曜日はやっぱり雨。
久しぶりに袖を通した古いゴアテックス製の雨具は縫い目の目止めテープがベロベロに剥がれていて雨の浸入には無条件降伏状態でした。(涙)
それでも着ないよりははるかにマシなので、そのまま着用。
汗による蒸れと外からの雨水の染み出しとたたかいながら急坂を登りつづけました。

 急登が続く笠新道ですが、ブナ林に励まされます
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それにしても登路に使った笠新道の急なことといったら・・・
標高2000mを越える付近からは高い木もなくなり展望が開ける筈なのですが、あいにくの悪天候で視界ゼロ。
さらに登りつづけて標高2400mを越えると杓子平という広々したカール地形の草原に到着します。
残念ながら今日は霧と雨で広大な展望はおあずけです。
自慢の高山植物群もコバイケイソウやチングルマの残骸が風にゆれていました。

 7月下旬頃に訪れたかったコバイケイソウの残骸群落
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つらい登りはまだまだ続きます。
ようやく主稜線に到着すると今度は雨に加えて風まで吹いてきて、けっこういやな感じでしたがメリノウールのアンダーシャツを着てきて大正解。

 ガスと雨で何も見えない中を歩きました。
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せっかくの稜線漫歩も雨具のフードを目深にかぶりながらトホホの行軍。
山小屋が近づいてくると大きな石に「ガンバ」とか「ガンバレあと一息」などの言葉が書かれていて勇気が湧いてきます。
50mほど先にぼんやりと山小屋のシルエットが浮かんでいるのを見てホッとしました。

 このペイントにけっこう励まされました。
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山小屋で受付を済ませるとそのまま空身で山頂を目指します。
小屋から10分ほどで待望の笠ヶ岳山頂に立つことができました。ヤレヤレ。

 とにかく山頂には立ちたかったので。
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そして、翌朝。
4時半ころ目を覚まし、寝床のそばの窓を眺めると・・・
真っ黒で巨大なシルエットが横たわっていました。
そう、槍穂高連峰です。
山小屋の2階に位置する私の寝床が御来光の特等席でした。(笑)

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黒いシルエットの上部がだんだんと明るくなっていく様をずっと眺めていました。
山の夜明けって本当に美しいですね。
稜線にある山小屋の明かりが次々に消えていくのと対照的に空がオレンジ色に染まっていき、そして5時30分に御来光を迎えました。

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 南アルプスも美しかった。(甲斐駒の左奥に富士山)
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今日は、昨日歩いてきた道を戻るだけです。
昨日と違うのは、360度の大展望を従えながらの稜線漫歩ができること。
山小屋と笠ヶ岳の山頂に別れを告げて、縦走路を進みます。

 左から焼岳、乗鞍岳、木曽御嶽山
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 ありがとう、お世話になりました。
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右前方にはつねに槍ヶ岳と穂高連峰の稜線が見えています。
後ろを振り返れば、昨日山頂に立った笠ヶ岳をはじめ、焼岳、乗鞍岳、木曽御嶽山、富士山、南アルプス、中央アルプスの峰々が、そして前方には眼前の抜戸岳をはじめ黒部五郎岳や薬師岳、遠く剱岳、立山連峰が眺められます。
まさに「辛くても山に登って良かったなー」と思えるひとときです。

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山頂から遠くに見える山を見て、「あの山なんだろう?美しいな。」と思ったら帰宅して山を特定し、あこがれを強めていく。
その山に登る計画を立て、思いをさらに強めていく。
そんなアプローチの仕方で、これまで多くの山々を登ってきました。
といっても、好きな山は何回も登っているので山頂に立った山の数はそんなに多くはありません。

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今回の登山でも明らかに百名山狙いで笠ヶ岳を訪れた人たちがいましたが、「百名山だから登る」のもいいけど、「登ってみたら百名山だった」方がカッコイイと思うけどね。

もしも笠ヶ岳が百名山に選ばれていなかったら、少なくとも今よりはずっと静かな山歩きができただろうに本当に残念でなりません。
泉下の深田久弥も嘆いているだろうな。きっと。

 杓子平から仰ぎ見る笠ヶ岳はいいですね
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そんなことを思いながら、抜戸岳(百名山じゃないので静かな山頂でした。)を経て杓子平に下り、思いっきりの大展望を楽しんだ後、林道までの急降下に耐え、登山口にたどり着きました。

今回、久しぶりに北アルプスを歩いてみて、やっぱり自分は山が大好きなことを再認識しました。
これからも機会をとらえて山に向かいます。
とはいえ、これからはサイクリングの季節でもあります。
峠みちを自転車で息を切らせながら登りきり、そこから仰ぎ見る真白い高峰も素敵なのでそちらも再開しなくては。
忙しい秋のシーズンはもうすぐそこです。

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