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2015.07.22

奥会津・只見のブナ林を探訪する

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福島県南会津郡只見町。
福島県最奥に位置し、お隣は新潟県に接する日本有数の豪雪地帯です。

この地に日本屈指のブナ林が広がっていることを知ったのは、大学時代の学生寮で同室だったK君からの誘いがあってからです。
仙台で当時の寮生仲間の同窓会が予定されていて、行きがけの駄賃代わりに福島で前泊することにしてK君に連絡してみました。
するとK君から「お前に只見のブナ林を案内してやるよ。」との答えが返って来ました。

 道すがら 薪積みのアートに出会う
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ブナ林のあるエリアは、浅草岳の北麓、入叶津から沼ノ平周辺にかけてだそうです。
ブナ林は東北の山歩きを経験した人なら必ずどこかで出会っているはずですが、これから向かうブナ林は全国屈指の規模と品格、原始性、静けさ、そして個性あふれるものだとか・・・。
うーん、期待しましょう。

 入叶津登山口から入ります。(クマに注意!)
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雨上がりの中、浅草岳の入叶津登山口から登山道に入ります。
浅草岳はおよそ35年ほど前に奥さんと登った思い出深い山です。
その時は、只見線沿いから登った記憶がありますが、今回の登山道は北側からです。

 みずみずしい登山道を歩きます
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 雨水はブナの幹を伝わって大地を肥沃にします
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しばらく進むと「八十里越」の標識に出会いました。
越後と会津とを結ぶ交通路で昔からの街道ですが、古い石積みの名残りも見られ、古道なのかも知れません。
この道をあの河井継之助も官軍の銃撃で負傷し戸板に載せられて通ったのかと思うと、なんだか胸があつくなってきました。

 八十里の古道
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 ブナの赤ちゃんです
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さて、登山口から1時間ほど登ると、「山神杉(さんじんすぎ)」と呼ばれる杉と祠に出会いました。
ここは浅草岳山頂と沼ノ平への分岐路にあたります。

 ミズナラに囲まれた山神杉の祠にて
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山頂への道を左に分け、沼ノ平方面に少し入っていくと、すらりとしたブナの巨木が立ち並ぶ美しい森が広がっていました。ふかふかの道とみずみずしいブナの木の連なり。

 ふかふかの道の周囲にはブナ林が広がります
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ここが、浅草岳北麓に広がるブナ林。たしかにすばらしい場所です。
私の持参した安いコンデジでは到底表現できない世界が目の前に広がっていました。

さらに、なだらかな山道をゆっくり歩いていくと左手に巨木が現れました。
これが「ブナ太郎」と地元で呼ばれているブナの巨木です。コブだらけの木肌は風雪に耐えてきた風格を感じさせます。
よく見ると上部は折れてしまっていて上への広がりに欠けているのが残念。

 これが「ブナ太郎」さんです。
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そして、ブナ太郎からさらに進むと、今度は右手にブナの巨木が目に入りました。
これはスゴイ。
幹回りはおそらく4,5メートルはあるかも知れません。
全容はカメラには収まりきれません。
この樹が「ブナ次郎」でした。

 出たー!これが「ブナ次郎」さんでした。
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 生命力に溢れていますね。
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この樹の下にいるだけで、幸せな気分に浸れます。
静かな静かな森の中。
時々、聞こえてくるのはツツドリやクロツグミの鳴き声のみ。
(あ、野鳥の名前は、探鳥歴45年以上のK君に聞きました。)

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いやー、サイクリングなんてやってる場合じゃありませんね。(笑)
それを言うなら「仕事なんかやってる場合じゃない。」かな。(この3月末で完全リタイアしたK君の言。)

本当に名残惜しいですが、次の予定もあるので往路を引き返しました。
登山口に戻ったら、今度は田子倉ダムに向かいます。
只見川流域のダム群のひとつで、水力発電のメッカです。

ダムサイトを過ぎて、なおも新潟県境まで車を走らせます。
このあたりは紅葉時期には最高の景色が広がるそうです。自転車で走るのも楽しそうです。ぜひ走ってみたいなあ。

 眼下には田子倉湖が広がっていました。
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やがて勾配がなくなってくると周囲の山々の展望が開けてきて、眼下には田子倉湖、会越の山々に囲まれた道路開通記念碑に到着しました。

「会越の窓開く」
当時の田中角栄総理大臣は達筆でした。

 「会越の窓開く」とは言い得て妙ですね。
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今宵の宿に戻る途中、田子倉ダムの下から振り返った湖面の霧がなんとも印象的でした。
只見町は「自然首都」をキャッチフレーズに、手つかずの自然との共生に取り組んでいるようです。

 幻想的な風景に感動しました。
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つい最近もユネスコのエコパークに国内で7番目に指定されとか。
原発の風評被害に負けずにこの地域で頑張っている人たちのことをもっともっと知ってほしいですね。

只見の民宿では旨い地酒と美味い食事を堪能したのは言うまでもありません。
そして翌日は、布沢地区にある「癒しの森」と「恵みの森」の散策を楽しみました。
こちらもブナやミズナラなどの広葉樹の森が広がっていて、自然学習の場として活用されているようです。

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「癒しの森」は平坦な、なだらかな山間の地形にブナの巨木が分布しているエリアで、「恵みの森」は布沢川支流の大滝沢沿いに展開する水辺のブナ林を観察できます。

 つい最近、倒れてしまったブナの巨木だそうです。
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それぞれに個性あふれる美しいエリアですが、私の場合、前日の山神杉のブナ次郎との出会いが強く印象に残っているためか、前日のような感動は得られませんでした。
って、かなり贅沢な感想だとは思うのですが・・・。

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いやー、奥会津おそるべしです。
只見町だけでもできれば2泊はしたいですね。
丸一日をサイクリング(ほとんどヒルクライムだけど。)に費やして、残りはブナ林を訪ねる山歩きで過ごしたいものです。
季節は5月下旬がベストかな。それからブナの葉が黄色に染まる10月下旬もいいですね。
やっぱり、仕事なんかしてる場合じゃないかな?

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