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2014.11.16

乾徳山の思い出

今朝、NHK総合テレビで放映された「小さな旅」の舞台は奥秩父の主脈から連なる乾徳山でした。
山好きの人ならご覧になった方も多いと思います。
私も、若い頃から幾度となく訪れた懐かしい山だったので興味深く視聴しました。

番組の中で、乾徳山の山麓にある恵林寺の住職が乾徳山の山頂付近の岩場でお経をあげているシーンが映し出されました。
恵林寺は甲斐武田氏の菩提寺として有名な古刹です。

岩場は庇状になっていて、その下に小さな石仏が安置されていました。
この石仏こそが夢想国師で、歴代の住職が険しい岩場で読経をするとのことでした。

あれ、この石仏、見たことあるなあ。
そうだ、だいぶ前にクライミングで出かけた折りに出会った石仏に違いありません。
当時から、どうしてこんな険しい場所に石仏があるのかわかりませんでした。
もっと安全な場所に安置すればいいのにと・・。

11年前に私が書いたクライミングの記録をご紹介します。

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乾徳山・旗立岩第三岩稜 (2003年10月26日)

第一岩稜を無事に登り頂上に立ったあと、今度は第三岩稜をめざす。「岳人」記事によれば、山頂北側の梯子を降りきったところの小広い場所から左に回り込んで第三岩稜を横断するバンドを目指すとあったが、藪こぎをすること30分、どうしても横断バンドが見つけられない。

仕方がないのでもう一度山頂付近まで登り返し、山頂北側から西面を覗くと顕著なリッジが上がってくるのが確認できた。これが第三岩稜の3ピッチ目のリッジだな、と判断して逆に20mの懸垂1回で横断バンドに降り立つ。

   これが夢想国師の座禅窟です。
Kentoku01

横断バンドを南に10mほど進むとバンドが途切れ、枯れたダケカンバの木が立っていた。揺らしてみると何だか心細いので脇に打ってあった残置ハーケンにスリングを巻き付けて枯木もろとも懸垂用の支点とする。
約25mの懸垂下降でようやく第三岩稜の取り付きと思われる地点に着いた。
3mほど離れた岩の庇の下には岳人記事にあるとおり「夢想国師の座禅窟」があった。こんな険しい所にいったい誰が安置したのだろうか。とにかく石像に向かってしっかりと安全祈願をしておく。

1ピッチ目 20m IV・A0
12時15分、Nobトップでスタート。見た目は易しそうなのだが、乾徳山特有の逆層の岩肌でホールド、スタンスともに少なく苦労する。登ったラインには残置ハーケンは見あたらない。薄いリスがあったので薄刃ハーケンを1枚打とうとするが、途中で岩が剥がれてしまった。仕方がないのでノーピン状態でずり上がる。するとようやく残置ピンが出てきた。
効きを確かめてからロープをかけて、さらに左手にある残置ピンに手をいっぱいに延ばして何とかクリップ。この後、クラックに小サイズのエイリアンをセットして鞍部状のギャップにたどり着く。ふー、結構こわかった。
いつもは余裕のT嬢も「キャー、墜ちるかもー!」とか言いながらめずらしく真剣な表情でフォローしてくる。

   第三岩稜の1ピッチ目です。
Kentoku02

2ピッチ目 10m IV
再びNobトップで取り付く。一見したところ残置ピン類は皆無である。いくら短いピッチとはいえノーピンというのは精神衛生上よろしくないので、出だしにハーケンを1本打つ。まあ気休めかもしれないが何もないよりはずっといい。

ルートは短く、傾斜は急だが岩も安定していたので思い切って登っていったら無事に横断バンドに着いた。第三岩稜の核心部はここまで。あとは易しく快適なリッジ登りを残すのみだ。
中央岩稜の方を眺めれば、クニさんチームとヒロリンさんチームが健闘しているのが手に取るように見える。がんばれ!

   3ピッチ目は易しいリッジ登りが続きます
Kentoku03_2

3ピッチ目 30m III
このピッチは傾斜も緩く、またクラックも発達しているのでカムのセットの練習によい。トップはT嬢に交代。
T嬢、ぐんぐん高度を稼いでいく。やがて視界から遠ざかってしばらくで「Nobさん、ビレイカイジョー!」の声が届く。
リッジ登りを楽しみながらゆっくりフォローしてT嬢の待つ終了点へ。13時20分終了。お互いに握手。
(記 Nob)
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この記録に出てくる「夢想国師の座禅窟」が、番組で紹介されていた石仏だと思います。
上記のとおり、石仏周辺はロッククライミングの世界です。
仏教修行の厳しい側面を垣間見ることのできた興味深い番組でした。

(添付した画像は130万画素のしょぼいデジカメ画像でごめんなさい)

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