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2013.02.18

北八ヶ岳・天狗岳から高見石周辺を歩く

Kitayatu14

歩いたコースはこんな感じです

日帰りの雪山ハイキングとは違う、やや本格的な雪山登山に久しぶりにトライしました。
何しろ久しぶりなものですから、行く場所も初心に立ち返って北八ツの天狗岳周辺にしておきました。
ここには若い頃から何度も足を踏み入れている場所です。
アプローチも容易で、私のような還暦過ぎのオジサンでも無理さえしなければ八ヶ岳の白銀の世界を堪能できます。
そういった意味で大変ありがたいエリアです。
計画したルートは、渋ノ湯~黒百合ヒュッテ~天狗岳往復~中山~高見石~渋ノ湯の周回コースです。

今回のパートナーはHINAさん。
私とは一回り以上歳が離れていますが、登山と自転車の先達者です。
登山歴もすごいけど、自転車もブルベで600kmなんかを事も無げに走ってきちゃうすごい人。
これ以上いない安心・安全のパートナーです。(笑)

金曜日に低気圧が本州南岸を通過し八ヶ岳周辺でもしっかり降雪があったので、翌土曜から日曜にかけては強い冬型の気圧配置。
出発前からきびしい寒気が予想されました。


2月16日(土) 曇りのち夕方から晴れ

新宿発朝8時のスーパーあずさ5号で出発。
茅野駅に10時過ぎに到着しましたが駅前のバス停はすでに長蛇の列です。
渋ノ湯行きは臨時便まで出る盛況です。え、2月の閑散期なのになぜ?
バスに揺られること約1時間で渋ノ湯に到着しました。

    渋ノ湯登山口にて。鉄橋を渡って右手に登っていきます。
Kitayatu01

立ち止まっていると寒いので、身支度を終えたら即出発です。
前日の降雪のおかげもあり、雪道はフカフカで膝に優しいですね。
入山者はこの時期にしては多くて少々驚きましたが、次々に先行パーティーを追い抜いて順調に進みました。
(追い越す気はまったないのですが、なぜか早足に?・・・)

    周囲はクリスマスツリー状態でした。
Kitayatu02

やがて傾斜がゆるくなると、唐沢鉱泉分岐に着きました。
ここは小広くなっていて休憩には格好の場所。当然、私たちも昼食休憩をとりました。
そのうちに大人数のパーティーが到着しました。
山小屋でこの人たちと一緒だったら混むだろうなあ、と漠然と思っていたらやっぱり予想は的中しました。

    周囲が明るくなると稜線が近づいてきます。(風が強そうでした)
Kitayatu03

さて、鉱泉分岐を過ぎると傾斜はゆるくなり歩きやすくなります。
やがて、徐々に沢状の地形をたどるようになるとじきに今宵の宿である黒百合ヒュッテに到着しました。

    太陽光発電パネルが目立つ黒百合ヒュッテ
Kitayatu04

小屋の中に入ると、すでに受付をすませた登山者たちであふれています。
事前に個室を予約したかったけど、二人だと割高なので大部屋にしたのが間違いでした。
二人でお酒を飲みながら時間つぶしをした後、夕方に案内された大部屋の枕間隔は約30cm。しかも、先ほどのツアー団体客(25人位)と一緒の部屋の片隅に指定されちゃいました。(泣)
さらに、私の寝る場所はふとんの重なる境目。両隣の人が寝返りをするたびに掛け布団がはがれてしまい、その修正作業の繰り返しで夜中を過ごしました。
幸い、暖房が十二分に効いてくれたおかげで風邪をひくことはありませんでしたが・・。(むしろ暑すぎて1枚脱いだほどでした。)

    ヒュッテの夕食。オジサンにはこれで十分でした。
Kitayatu05

夕食は十分だったし、トイレも水洗の洋式でしかも清潔です。
太陽光や風力発電設備を備えた最新鋭の山小屋です。これは相当お金がかかっただろうなあ。

小屋の夕食は17時。
食後は特にやることがないので、18時から翌朝5時までずっと横になっていました。

    残照の黒百合平にて。一瞬のきらめきが美しかった。
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2月17日 快晴(稜線風強し)

先に書いたように前夜はほとんど寝られませんでしたが、11時間も横になっていたので体力は十分保持できました。
朝食は5時半です。
ご飯と味噌汁を各2杯胃に納めてから出発準備に取りかかります。
窓の外は快晴です。
朝食が早かったせいで、出発も予定より早くなり6時半に出ることにしました。
あんまり早いと稜線の風が収まっていない可能性があるのでいやでしたが・・。(こういう予感は当たるんですよねえ。)

朝日が黒百合平を照らし始める時間に出発しました。
粉雪をアイゼンで踏みしめるキュ、キュという音が耳に心地よいです。
薄暗い樹林帯をしばらく歩くと中山峠に到着します。
ちょうど奥秩父・金峰山の左側から朝日が昇るところでした。マジで神々しいですね。

    日の出がまぶしい中山峠にて
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    モルゲンロートに染まる天狗岳東壁
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さて、ここからは本格的な雪山登高のはじまり。
目指す天狗岳はその東壁を朝日に染め上げて、モルゲンロートに輝いています。
登る途中に頂上方面から降りてきた二人連れの登山者とすれ違いました。
あとで別の登山者に聞いたら、雪庇の先端が強風で崩れ、そのブロックに当たり引き返したとか。
その現場に着くと、たしかに一抱えもあるブロックが散乱していましたが、直撃を受けなくてもニアミスだけでも引き返す気持ちになるのはわかります。

    雪煙舞う稜線模様。
Kitayatu10

頂上に続く稜線に立つと、風はさらに強くきびしく吹き付けてきました。
私たちは二人とも、防寒帽、ネックウォーマー、バラクラバの3点セットに加えて防風ヤッケのフードを目深に被って行動していましたが、それでも寒風の勢いは容赦なく露出した肌の隙間を攻めてきます。

標高も2,500mを超え、山頂まであとわずかのところまで来ていましたが、顔の感覚が鈍くなりこわばるのがわかります。
後ろを歩くHINAさんを振り返ると、HINAさんの鼻と頬の右側が白色化しているではありませんか。
ヤバイなあ。
頂上までは時間にしてあと20分位ですが、これ以上の行動は二人とも顔面凍傷に至る危険があるので断腸の思いで登頂をあきらめて引き返すことにしました。(泣)

時間的にはまだ十分に余裕があるで、いったん樹林帯まで下り様子を見ていましたが、風の勢いはあまり変わらないので完全にあきらめて高見石方面に向かいました。
引き返す途中、何人もの登山者とすれ違いましたが、バラクラバを身に付けていない人や6本爪程度の軽アイゼンを付けている人など、ちょっと見アブナイ連中がいて何とも複雑な気持ちにさせられました。

    中山峠のすぐ上から振り返る東天狗岳
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さて、中山峠に戻り北方に登り返すトレールは北八ツ本来の樹林帯下の美しいルートです。
峠から少し登ったところにある露岩からは登り損ねた天狗岳が「残念でしたー!また来てね-!」って呼びかけているように感じました。お天気が良いだけにちょっと悔しいなー。

    雪をかぶった針葉樹が本当に美しいです。
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    中山へのゆるやかな登り斜面にて
Kitayatu13

それにしても北八ツって本当にいいところですね。
シラビソやコメツガの針葉樹がすべてクリスマスツリーと化すこの時期の北八ツはとくに素晴らしいです。
若い頃、「北八ツ彷徨」で有名な山口耀久の本を何冊か読んで、北八ツにあこがれた時期がありましたが、その頃の山への気持ちがふたたび想いだされました。
よし!今度はスノーシューを駆使して池めぐりでもやろうかなー。

そして、ゆるやかな登りの末にたどり着いたのが中山。
中山自体は樹林の中の平凡なピークですが、少し北外れにある中山展望台からの展望は申し分ありません。
見える山名をあげるとキリがないので止めておきますが、蓼科山のすぐ左側に見える五龍岳と鹿島槍ヶ岳が強く印象に残りました。

    中山展望台にてHINAさんと。(セルフタイマー撮影)
Kitayatu15

    蓼科山の左手に見える鹿島槍の双耳峰が印象的でした
Kitayatu16

展望台は吹きさらしの場所なのでトレースが消えています。
晴れていれば問題ありませんが、風雪の時は短い区間ですが地図&コンパスが必要な場所です。

    高見石方面はトレースが消えているので注意(遠くの山は浅間山)
Kitayatu17

ルートはここから下り一方になります。
逆コースをたどる場合、高見石から中山までの登りが「ちょっといやだな」と感じるはずです。
でも、まわりの樹林帯の雰囲気が良いので飽きることはないですね。

そしてたどり着いた高見石小屋はメルヘン的な雰囲気のこぢんまりとした山小屋。
小屋のベランダでアイゼンを脱いで、高見石の岩頭に立ってみました。
岩頭からは「北八ツの宝石」白駒池が眼下に見えますが、よく見ると氷結した湖面にはスノーシューやクロカンスキーのトレースが刻まれていました。

    白駒池はまさに北八ツの宝石
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    高見石から北方の景色を楽しむ。(北八ヶ岳主脈の山々)
Kitayatu19

ここまで北八ツの雰囲気は十分に堪能したので、あとは下山を残すのみです。
中央アルプスを正面に見て、サイの河原の荒涼とした雪の斜面を下りきれば、あとは樹林帯の緩やかなトレールをたどれば出発地点である渋ノ湯に無事に到着しました。
天狗岳山頂往復が割愛されたおかげで、11時35分という早いバスに間に合うことができました。

    思い出を胸にサイの河原を下りました。
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アプローチの容易な北八ツ登山でしたが、冬山の厳しい一面にも触れることができ、その意味では勉強になった山歩きでした。
さあ、来週はまた自転車に乗るぞ-!

【コースタイム】

2月16日
渋ノ湯登山口(11:45)・・・唐沢鉱泉分岐(12:35~51)・・・黒百合ヒュッテ(14:01)泊

2月17日
黒百合ヒュッテ(6:30)・・・中山峠(6:42)・・・天狗岳最高到達点2516m(7:10)・・・中山峠(7:42)・・・中山展望台(8:14~22)・・・高見石小屋(9:01~25)・・・渋ノ湯バス停(10:25)

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Comments

こんにちは
スイセンの写真の次に、冬山の写真がアップされていたのでびっくり。
でも、お天気にめぐまれて良かったですね。
記事を拝見すると、寒さで大変だったみたいですが、写真がきれいなので寒さが伝わってきませんよ。(笑)

Posted by: 房総ローディ | 2013.02.19 12:30 PM

こんばんは

写真がきれいですね
私はこの冬は毎月、八ツのバリエーションを登っていますが、なかなかうまい写真がとれません。先日、阿弥陀の北稜に行った時も、ジャンクションピークの先で阿弥陀を正面にした素晴らしいシャッターチャンスがあったのですが、メンバーが5人もいたので誰かが撮るだろうと思って撮らなかったら結局、誰も撮ってなかったようでがっかりしました。

冬は寒いので、自転車には全く乗っていませんが、乗り方を忘れないように来月くらいから、そろそろ乗ろうかと思ってます。

Posted by: vibram | 2013.02.19 10:00 PM

房総ローディさん
こんにちは
お天気は良かったのですが、やはり寒さがこたえました。
天狗岳の稜線上では、たぶん体感温度でマイナス30度くらいだったと思います。
でも、久しぶりの雪山を楽しませてもらいました。

Posted by: Nob | 2013.02.20 07:35 AM

vibramさん
こんにちは
お久しぶりです。
vibramさんたちも3連休に八ヶ岳に行っていたのですね。
「アイス&雪稜&アイス」なんて羨ましいです。

私の場合、本当に久しぶりの雪山だったので、入門者向けのコースでしたが、65歳位までは何とか動けそうなので、少しずつ行動範囲を広げて行ければなんて考えています。
夏は、これまた久しぶりに南アの縦走なんかを目指していますが、どうなることか。(笑)

Posted by: Nob | 2013.02.20 07:42 AM

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