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2010.04.02

観てきました「アイガー北壁」

Aiger_movie_adドイツ映画「アイガー北壁」を観てきました。
非常にリアリティのある山岳映画の傑作です。

時は1936年。ナチスによる支配下のドイツ。
アイガー北壁の初登攀を国威発揚に利用しようという動きが強まる中で、純粋に自らの登高欲のみで行動しようとした二人の若きクライマー。
慎重着実なトニー(トニー・クルツ)と積極果敢なアンディ(アンドレアス・ヒンターシュトイサー)。
二人の好対照ともいえるクライミングスタイルがお互いを補完し合い、アルプスの高峰群で最高のクライミングを実践してきた。
そして、二人にとって究極の目標がアイガー北壁でした。

「山岳猟兵」という部隊に所属する兵士でありながらヒトラーナチスには見向きもしない二人。
純粋に山登りに情熱を傾ける様が見てとれました。

乏しい資金を出し合って、自ら手製のハーケンを鍛造しているシーンのリアルさに感心します。
麻のザイルに鉄製のカラビナ、帆布製の重たいテント。
それらを背負って、700kmの道のりを自転車で移動する二人。
なんだか現代のクライマーたちがあまりにも恵まれているのがわかりますね。

さて、各国の精鋭パーティーが集結する中でアイガー北壁で繰り広げられる初登攀あらそい。
天候の急変による事故、そして撤退。
次々に襲いかかる風雪や雪崩、墜落・・・これら苦難の連続はぜひともスクリーンで観て下さい。

それにしてもカメラワークの素晴らしさ。
クライマーたちと同じ目線で、極限の状況に追い込まれたときの決断や彼らの苦悩の表情を余すところなくとらえているのには驚きます。
振り子トラバースを麻のザイルで挑戦するシーンには感動しました。
「たのむから成功してくれ!」と、祈らずにはいられません。
この難しいトラバース地点は「ヒンターシュトイサートラバース」として後世まで語り継がれています。

・・・・・
さてさて、じつは私は今から29年前にアイガー周辺を訪れています。
アイガーの麓グリンデルワルトから登山電車に乗って、壁の中にあるアイガーヴァント駅で北壁を間近に見て、さらにユングフラウヨッホからメンヒ東南稜の取り付きまで登りました。
この時は盛夏にもかかわらず吹雪に見舞われ、メンヒ登頂はなりませんでしたが。
8月に吹雪に見舞われる経験などしたことがなかったので非常に驚いたのを憶えています。

クライネシャイデックにあるホテルのテラスから眺めるアイガー北壁はあまりにも有名ですが、正直あまり感動がありませんでした。
映画でも描かれていますが、山麓のホテルの贅沢さと北壁の厳しさの間に激しいギャップがありすぎてなぜか見上げていても空しいのです。
ホテルから少し離れた草原から見上げるミッテルレギ山稜(アイガー東山稜)の方がずっと感動的でした。

そんな若い頃の思い出を辿りながら映画を楽しむことができました。
ラストシーン?
うーん、ぜひ劇場に足を運んで観てください。

オフィシャルサイトはこちら

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Comments

小屋番さんは、山登りもやっているようなので、こういう映画は見逃せませんね。

Posted by: 房総ローディ | 2010.04.03 11:40 AM

房総ローディさん
今日はお天気だったので、どこかにサイクリングでしたか?
この映画は、山登りに興味のない方でも十分に楽しめると思います。
東京に出やすいのでしたらぜひどうぞ。

Posted by: Nob | 2010.04.03 07:22 PM

おっ、やっぱり観に行かれたんですね。
とにかく凄い映画でしたね。私はもう一回観に行こうかって思っているくらいです。

Nobさんはアイガーに行ったことがあったのですか。
あまり感動がなかったと言われても、やっぱりうらやましいなぁ。

Nobさんが映画を楽しんでいる中、私は昨日も宇都宮ブルベだったのですが、4月だというのに山の中では大雪に降られました。
天気予報ではそんな事言ってなかったので、満足な雨具や防寒具を持っていっておらず、ホントに低体温症になって遭難するかと思いました。
死にそうになりながらゴールしましたが、またひとついい経験でした。

Posted by: HINA | 2010.04.04 04:47 PM

HINAさん
神奈川ブルベに続いて、宇都宮ブルベも雪でしたか。
何ともはや、2週続けてツイていませんね。
でもまあ、ポジティブに考えれば一回りも二回りも経験値を上げたわけですからお天気に感謝しなければね。(笑)

「アイガー北壁」はHINAさんの日記を拝見して、これはぜひ観にいかなければ、と思い行ってきました。
期待どおりの傑作でしたね。

ブログにも書きましたが、29年前に初めて北壁に対面した。
北壁自体はすごい迫力なのですが、自分が立っている場所があまりにも俗っぽい所だったので、そのギャップに戸惑いました。
アイガーヴァント駅の北壁テラスから見下ろした景色も覚えていますが、自分で手と足で攀じった訳ではないので、これまたイマイチでした。
山屋の悲しい性なのでしょうか。

Posted by: Nob | 2010.04.04 08:17 PM

Nobさん、こんにちは。
映画好きなNobさんのこと、まして山岳映画なら要チェックですねー。
私も近いうちに見に行こうと思ってます。
昨年グリンデルワルトを訪れたとき、アイガーグレッチャー駅で降りてアイガー北壁の末端をトレイルハイキングして来ました。
北壁ルートを間近に全貌出来るコースを歩き、北壁からの落石と思われる石をたくさん拾って来ました(笑)
34年前、私は運良く天気に恵まれミッテルレギ稜からピークに立つことが出来ましたが、下山まではロングルートでした。
稜線上、今は真新しいミッテルレギ小屋が建っていますが、初登攀の槇有恒さんが寄贈した初代ミッテルレギ小屋は、アイガーグレッチャー駅に移設展示されていました。
簡素な無人小屋でしたが、薄っぺらな稜線上、とてもありがたく暖をとり、エネルギーを補給した当時のことを懐かしく思い出しました。

ところで、私のサイトが10周年を迎えました。Nobさんにはとてもお世話になりました。ありがとうございました。

Posted by: hirorin | 2010.04.07 06:00 PM

ヒロリンさん
ご無沙汰しています。
コメントありがとうございました。
そうかあ、ヒロリンさんは若い頃、ミッテルレギ山稜からアイガーに登頂しているのですね。
うらやましいですー。
たしかコズミック山稜やマッターホルンも登ってますよね。
そんなヒロリンさんにはピッタリの映画です。
ぜひぜひ、劇場まで足を運んで観てきてくださいね。

ところで、私もヒロリンさんに遅れること2年?
精力的に登り込む山からは離れて、いまはチャリ(ロードバイク)を楽しんでいます。
山は、ハイキング中心に月イチを目標にしていますが、ちょっとアヤシイかな?
そういうわけです。今度ハイキングにでも出かけませんか。

Posted by: Nob | 2010.04.07 07:59 PM

こんにちは。
先日夜10時頃、仕事帰りに新宿から青梅街道を車で走っていたら、チャリ通帰りの人の多かったこと、なかでも若い女の子がデイパックを背にドロップハンドルの自転車に乗ってさっそうと走っていて、びっくりしました。
ロードバイクで鍛えたNobさんの大腿四頭筋は筋金入り状態のことでしょうねー。私も冬眠から目覚め、トレーニングしてご一緒できる状態になったら連絡しますので、その節はよろしく。

Posted by: hirorin | 2010.04.09 09:55 AM

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