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2009.05.05

残雪の宝剣岳を越える

■5月3日 晴れ

前日、補導員諸氏から「辛口のアドバイス」をたっぷりと聞かされたせいか、昨夜は神経質になって寝不足気味です。
人に言われて前途に不安をもつのが、若葉マーク付き登山者たる所以なのでしょうか。

ともあれ、宝剣岳北稜から取り付き、南稜を越えて三ノ沢岳を往復後千畳敷カールに戻るのが今日の行程です。

Houken_bl017時半、宝剣山荘を出発。
天候はゆっくりと下り坂ですが、今日一杯はまずまずの好天が期待できそうです。
小屋から一段上がったところでアンザイレンしました。
補導員諸氏とも約束したとおり、南稜を越えた三ノ沢岳分岐地点まではスタカット(隔時登攀)で行くことに。
北稜西側の雪田を右上トラバース気味にロープを延ばしました。
1,2ピッチ目は日陰斜面のせいか、カリカリ雪にアイゼンの歯がよく刺さります。中間支点にスノーバーを使用しましたが、アイスハンマーで叩く音がカーンカーンと気持ちよく響きます。
いやー、楽しいなあ。登る前の不安など吹き飛ぶような快感でした。

3ピッチ目は緩い雪壁状となっています。が、トレースはバッチリついているので不安は全くありません。ここでもスノーバーがよく効いてくれました。
雪壁を越えると岩稜帯に入り、二ノ尾根をからんでしばらくで山頂に着きました。
3人の仲間を迎えてさっそくの記念撮影。

「関所」効果なのか、山頂には私たち以外には誰もいません。静かなものです。
結局、この日宝剣岳を越えたのは私たちを含めて計4組しかいませんでした。
連休の最盛期だというのにゴキゲンな山行です。

Houken_bl02さて、いよいよ南稜の下降開始です。
夏は、鎖や鉄梯子のおかげで比較的安全に登下降できる南稜ですが、5月のこの時期は日陰に氷化した雪が残り、部分的に悪くなっています。
とはいえ、南面に位置しているせいで雪はあらかた消えており、中間支点を鎖や鉄柱アンカーにとることができるので北面よりもずっと安全に通過できました。

「約束」もあったので全7ピッチをスタカットで通過しましたが、注意しなければならないのは小岩塔を越える部分の2,3ピッチといったところです。

今回、4人がロープ(9mm×45m)1本で行動しました。
トップとラストの間を中間の2名がマッシャー結びでメインロープに連結する方法での行動です。
その結果、南稜の通過にかなりの時間がかかり、三ノ沢岳分岐点に着いたのは12時25分。宝剣山荘を出発してから実に5時間近くもかかってしまいました。

いつの間にか太陽は雲に覆われて、お天気もゆっくりと下り坂に向かっているようです。
これでは第二の目標である三ノ沢岳往復は時間的にきついので、今回は断念し極楽平から千畳敷カールに下ることにしました。
宝剣岳一峰だけの登頂でしたが、それなりの満足感を胸にゆっくりとカール底に戻りました。

■タイム
宝剣山荘(7:30)---宝剣岳(9:05~9:15)---三ノ沢岳分岐(12:25)---極楽平(12:34)---千畳敷カール畳平(12:58)



■感想
Houken_bl03休日が5日間も続く大型連休でしたが、仕事や家庭の事情で2日間のみの山行でした。
限られた時間の中で、ライトなアルパインの薫り豊かな山行を行うのには工夫が要ります。
宝剣岳・三ノ沢岳一帯は、岩と雪が程よくミックスして、小粒ながらもピリッとスパイスの効いた山行を楽しむことができました。
次回は、お隣のサギタル東稜や今回訪れることのできなかった三ノ沢岳にぜひトレースを残したいものです。

もっと写真を見たい方はこちら

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Comments

こんにちは。かなりヤバそうな稜線ですね。こんなに怖いところだったかなぁ。
若い頃、冬の宝剣は何度か超えたことがあるんです。冬の三ノ沢の帰りにコケて滑落したこともあります。天狗岩でクライミングしたこともあります。写真を見ていたら、かろうじて思い出しました。でも・・・記憶は風前の灯火といった感じ。悲しい。

Posted by: おじん堂 | 2009.05.05 05:44 PM

コメントありがとうございます。
私も今から38,9年前の5月に宝剣岳に登ってますが、当時は全然怖くなかったんです。
「関所」ももちろんなかったし・・・。
南稜は、25年ほど前に夏に二度通過していますが、夏山だったので、全然怖い思いはしなかったなあ。
若い頃は怖いものなかったんですね。

Posted by: Nob | 2009.05.05 06:48 PM

中高年の登山は老化の確認作業なんですね。いつまでも若いと勘違いしない・・というのは素晴らしい効果です。

Posted by: おじん堂 | 2009.05.05 08:49 PM

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