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2009.03.29

技術と経験の伝承(2)

Tenran012回目の今日のテーマは「懸垂下降」です。

クライミングを始めて20年近くになりますが、懸垂下降は今でも苦手だし緊張します。
10年前には仲間を懸垂下降の失敗でなくしています。
その記憶が大きく影響しているのもありますが、急崖に身を晒してロープ1本に命を託すというイメージが一番大きいですね。
ロープを支える支点の確実性も気になるし・・。

練習では、バックアップロープを使って万が一の失敗に備えるわけですが、本番では通常バックアップロープは使用しないので、こうした練習も(本番の状況を想定すると)考えものです。

Tenran02さらにはマッシャーやプルージックといった巻き付け結びでセルフバックアップをとってもらうのですが、これがくせ者でスリングの種類や結び目の締め加減によっては荷重がかかった場合、ロックしてしまうことがあります。

空中懸垂下降時にわざと荷重をかけてもらいました。
案の定というか不幸にも?ロックしてしまい、今日の講習内容にはなかったスリングを使った「自己脱出」の練習をやる羽目に。(苦笑)

おかげで、巻き付け結びによるバックアップのメリット・デメリットを体感してもらうことができました。

岩場からの帰り道、花冷えのお天気が続いていましたが、公園の桜がようやく花をほころばせてくれました。

桜ほころぶ


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2009.03.15

技術と経験の伝承

P1030576s会の取り組みの一環として、経験の浅いメンバーに対する講習会を行うことになりました。
毎回テーマをきめて、しっかり覚えて帰ってもらう試みです。

当会は県内でも下から数えた方が早い?弱小山岳会です。
総勢10名ですから、技術と経験をしっかり次世代に伝承していかないと会そのものが立ちゆかなくなってしまいます。

P1030578sというわけで、第1回講習会の講師役は不肖小屋番NobとHammerさん。
受講生の方がやる気満々で、最初から圧倒されてしまいます。

岩場での注意事項から始まって、ロープの結束法、基本的な確保技術、ギアの操作法、など「クライミングの基礎の基礎」を約4時間ほど練習しました。

技術と経験を他人に伝えるという行為は責任重大です。
誤った内容を伝えたら重大事故につながるだけに、講師役も真剣にならざるを得ません。

P1030579s最近は室内ジムというありがたい存在のおかげで登る力はアドバイスする必要もないくらいに上達しています。
(実際、私よりもはるかに上手かった・・苦笑)

問題は、アウトドアでの危険回避技術の習得でしょうか。
いま、フェイルセーフやリスクマネジメントの思想がどれだけ身についているかがクライマー全員に求められていると思います。

ヒトはかならず間違える。誤操作・失敗をするのが人間。
この前提に立って、最悪の事態をさける術を身につけることができればしめたものなのですが・・。

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2009.03.08

那須・朝日岳東南稜

Es_ridge04


昨年末、強い冬型気圧配置による強風に見舞われて断念した朝日岳東南稜にリベンジしてきました。

ここ2週間ほどは雨ばかり続いていて、「今度もダメかなあ」と半ばあきらめムードで出かけたものの、お天気の下り坂の隙間を縫ってトレースに成功。
那須名物の強風の洗礼を受けることなく、短くも充実したライトアルパインルートを満喫できました。

年末のラッセルに苦しんだアプローチがウソのような締まった雪道に気分も軽やかになります。
お天気もまずまずです。

Es_ridge20「こんなところに高山植物が」の看板が東南稜下降点の目印です。
ここからミョウバン沢に下降しました。
雪渓に降り立った地点が取付点です。ガチャ類を身につけてさっそく登り始めました。

いきなりアイスバーンの急斜面に出くわし面食らいましたが、だんだんペースを掴んで高度をかせぎます。
ひと登りで、二つの岩塔が仲良く並んでいる地点に出ました。
左の岩塔を半分位登ってから右にトラバースするとギャップの下降点に着きます。

クライムダウンの記録もありますが、ここはおとなしく懸垂下降でギャップの底に降り立ちました。
懸垂の支点は岩頭に巻き付けてあった残置のスリングを利用しました。

ギャップの登り返しは4級の1,2手を含む10mほどのクライミングです。
ガバホールドはあるものの、手袋では結構手強いですね。
アイゼンの爪をしっかり効かせてすくっと立ち込むのがポイント。

Es_ridge21ギャップを越えてからもリッジは上にのびていきますが、私たちはリッジ右手のアイスバーン化した雪の斜面を拾いながら越えました。

ひたすら登り続けるとやがて前衛峰に立ちました。
そこで初めて朝日岳本峰の姿が目に飛び込んできます。
ゆるやかな雪稜をほんの一投足の距離に聳えていました。

最後はスラブ状の緩い岩壁です。
3級下程度のクライミングですが、岩の隙間には氷が詰まっているので手抜きはできません。
慎重に登りきると朝日岳山頂に飛び出しました。

頂上で握手握手。
スケールは小さいものの、久しぶりの雪山バリエーションに満足しました。

Es_ridge13_2

下りは剣ヶ峰のトラバースを回避して尾根伝いに峰ノ茶屋に出ました。
避難小屋で小憩の後、山頂に立ったよろこびを噛みしめながらゆっくりと下山の途につきました。

東南稜は、短いバリエーションルートですが、クライミングや雪稜、岩雪ミックスの登高など、一通りの基礎技術が試される好ルートです。
もろい岩が氷雪でコンクリートされているこの時期が適期だと感じました。

スライドショーはこちら

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