白神に続く尾根
はじめて白神山地の一角を訪れました。
一角といっても、世界遺産を形成するコアエリアからは北に20kmほど離れたエリアですが・・。
青森県鰺ヶ沢町から車で30分ほど山に分け入ったところにある黒森地区。
藩政時代から田んぼの水を確保するために禁伐林として地元の人々に大切に守られてきた森があります。
人の手が加えられておらず、樹齢200年を超えるブナも見受けられ、白神山地コアエリア同様の森林景観を保っています。
ブナは木偏に「無」とも書きます。
「無」とは、用の無い木という意味があるそうです。
保水性が高く、幹に水分が豊富なため、木材加工しても反りや返りがひどくて使い物にならないことから、「用の無い木」の意味で使われたとのこと。
それゆえに北海道では大規模な伐採まで行われたそうです。
ところが、「田山」として尊重していた津軽藩の農業政策でも明らかなように保水性が高いことは水源の涵養につながり、人々はおろか動植物たちの絶好の住処になっているのですね。
近年は営林署の植林種の一つになっているとも聞いています。
つまり今では「用の無い木」から「かけがえのない木」へと変貌したわけです。
まさに「いのちを育む木」なのです。
訪れた黒森地区のブナ山は本当に心安まるエリアでした。
あいにくの空模様でしたが、たまたまご一緒した方が白神山地を十数年来おとずれているという先達でした。
長靴に杖を貸してもらい、山中に分け入りました。
ブナの木の枝はみんな上に向いています。
降った雨はすべて幹に集められ、幹から厚く堆積された腐葉土や根に貯えられることを教えられました。
それらが命の源になるわけですが、ブナ林からわき出した泉からはほとんど雑菌が検出されないそうです。
エリア内にある水源からは透明の泉がこんこんと湧いていました。
雨と霧で幻想的な雰囲気があたりを支配し、自然との一体感・共生感が深まりましたが、こういう日に訪れて本当に幸せだね、と先達からも言われました。
津軽富士の別名をもつ岩木山からは、雲海の上に横たわる白神山地の山々とその下に広がるブナ原生林帯を指呼の間にして、次回はぜひ白神山地の核心部を訪ねてみたいと強く感じた津軽の旅でした。






Comments
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Posted by: qmukso lrwxyup | 2008.09.17 at 02:54 AM