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2008.08.13

金副隊長の山岳救助隊日誌

Kon_2若い頃から何度も訪れている奥多摩。
その奥多摩を舞台に警視庁青梅警察署の山岳救助隊・副隊長を務める著者が、数年にわたって他誌に連載をした山の遭難救助日記を元に書かれたエッセイです。

つい先日も沢登りで訪れた川苔山周辺での遭難事故が多いことを本書で知り驚きました。
急なトラバース道での滑落や、そもそも懐中電灯や雨具を持参しないで道迷いになり山中で立ち往生するといった初心者型の遭難事故が後を絶たないとか。

事故者の7割以上が50歳以上の中高年が占め、「道迷い」→「滑・転落」→「死亡」といったケースが少なくないこともこの本を読んで改めて感じました。
毎年奥多摩だけでも数十件の遭難事故が起こり、5~6名が命を落とすということですが、その事故と救助の模様が詳しく書かれています。

最近の救助現場ではヘリコプターの出動が効果を上げていることもよくわかります。
岩場での引き上げ・引き下ろし作業の困難さは私自身もアマチュア救助隊員の端くれとして身をもって経験していますが、本書でもそのへんの苦労話はたくさん盛り込まれています。
ヘリコプターによる救助活動の普及により作業がかなり迅速かつ省力化されてきています。

奥多摩は観光地と山岳地が重複している特異なエリアです。
それだけに、「ちょっとそこまで」という軽い気持ちで装備も持たずに入山して下山できなくなる例が多いそうです。
私自身、年々衰えを感じる中年若葉マーク付きの登山者ですが、本書を読んで改めて初心に返った思いです。
本書にはあの山野井泰史夫妻をはじめとして著者の幅広い交友関係がうかがえる心温まるエピソードもたくさん盛り込まれています。
東京の奥多摩が舞台ですが、山好きな方にはぜひ一読をお勧めします。

金副隊長の山岳救助隊日誌―山は本当に危険がいっぱい (角川学芸ブックス)

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