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2007.10.27

定本 北八ッ彷徨

">定本 北八ッ彷徨
今日は朝から一日雨。
雨の日は何もしないでじっくりと山の本を読むのがいい。
雨音を聞きながら読む本には山口耀久氏の「北八ッ彷徨」などは最高です。

今夏、ひょんなことから娘と一泊二日の北八ツの山旅をたのしみました。
久しぶりにあるいた北八ツの苔のやわらかな感触が忘れられずに「北八ッ彷徨」を再読しました。

題名にもなっている「北八ッ彷徨」自体は22ページの短編です。
短い文章ながら、何ものにも縛られない著者のみずみずしい感性が文章全体に溢れています。
ほんのちいさな事象にも目をとめて、ゆたかな観察眼で文章にしるす力には脱帽します。

それにしても著者が北八ツをこよなく愛し彷徨した時期は1950年代。
その頃の北八ヶ岳にはほとんど人が入らない状況だったことは本書から容易に想像できます。

11の短編で構成されている本書に共通するキーワードは?
焚き火、無数の星空、鉈目、探検、・・・でしょうか
どれも今の北八ツではなかなか体験できないものばかりです。
焚き火は禁止となり、無数の星空はナイタースキー場で消え、鉈目は赤テープに変わり、探検する余地はなくなりましたから。
パイオニアとしての特権なのかも知れませんが、なんとも羨ましい体験の数々です。

ところで、森林高地としての北八ツ主稜部だけでなく、佐久側に果てしなく広がる山麓にも著者の目はやさしく注がれています。
本書に「美しい山村集落」としてえがかれている五箇(ごか)集落が現在どのように変貌しているのかも興味深いものです。
北八ツ黎明期、森の高地の物語を貴方もぜひ心の中で想いえがいてみてください。

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