« July 2007 | Main | September 2007 »

2007.08.27

晩夏の北八ツを歩く

070825kitayatsu02_3

「北八ヶ岳」と書いて真っ先に思い浮かべる本が、山口耀久(あきひさ)氏の名著『北八ツ彷徨』です。
それほど長くはない文章だったような気がします。
若い頃に一読したきりでしたが文章のところどころは記憶に残っています。

40歳を過ぎてクライミングに本格的に取り組みはじめた時期に、再び氏の名前に触れて意外な感に打たれたものです。
それは、氏が獨標登高会所属の往年の名クライマーであったことを知ったから。

070825kitayatsu01北八ツのたおやかな山稜や池沼群を縦横に彷徨し、大自然と素直に向き合いながら戯れし日々の想いを淡々と書き残した文章が、先鋭的なクライマーだったという氏の前身とはどうも結びつかない気がしたからです。

さて、山口氏がこよなく愛した「北八ヶ岳」ですが、私もまた好きな山域のひとつです。
大学時代から30歳代の後半位まで、秋冬の季節を中心にずいぶん歩き回りました。

いまの会にお世話になってからは、北八ツは「活動対象外」なのですっかりご無沙汰していましたが、このたびひょんな事から10数年ぶりに訪れることが叶いました。

070825kitayatsu03なんと、わが娘が突然「山を歩きたいから連れてって!」と言ってきたからです。
どういう風の吹き回しかはわかりませんが、突然山歩きに目ざめた娘。
私自身、山歩きは同世代のメンバーと楽しんでいた方が精神的に楽だし、中学高校時分ならいざ知らず社会人になっている娘と一緒に山を歩くのも今さら煩わしいというのが偽らざる気持ち。
親としてはなんとも複雑な心境です。
しかし、とうとう彼女の熱意に負けて? ともかく8月最後の週末に娘と北八ヶ岳を歩く約束をさせられてしまいました。

070825kitayatsu04
登山初心者を連れて山を歩くなら、やはり北八ツは良い山です。
交通アクセスも良いし営業小屋も随所に置かれていて、山慣れない人でも安心して歩くことができるからです。
反面、山口耀久氏らが彷徨した頃の手つかずの原始的な自然環境は残念ながらかなりの部分で失われてしまいましたが・・。

今回は私自身が10数年ぶりに訪れるということもあって、歩行時間が少ない中でも北八ツの核心に触れることができるコースを選ぶのに苦労しました。
今回歩いたコースは、麦草峠から入山して、白駒池を経てニュウに登り中山峠から黒百合平に至り一泊して、翌日は天狗岳を往復してからふたたび中山峠を経てこんどは中山から高見石を経由して渋ノ湯に下山するというものです。

070825kitayatsu06北八ツのキーワードともいえる「森」「湖沼」「岩塁からの俯瞰」などをほどよく盛り込むことができました。
鬱蒼とした森林にひょっこりと飛び出た岩塁のニュウや高見石と、それらから眺めるどこまでも続く森林の広がりと美しさ。
中山峠から高見石に至る森林樹林下の苔むしたトレールや天狗岳から遠望する南八ヶ岳へのあこがれ。
白駒池の世俗化した風景と国道299号線の車騒音は大いなる「誤算」でしたが、それ以外はおおむね期待どおりの山歩きができたと思っています。
他に誰もいない二人だけの天狗岳山頂からのご来光もなかなか感動的でした。

070825kitayatsu05
あ、そうそう、「誤算」といえばもう一つありました。
娘曰く「ヨカッター! お父さんまた連れてってねー!」
これは誤算でした。・・・トホホ

| | Comments (5)

2007.08.19

レンゲショウマは今が旬

R0010087ss

肩痛と腰痛のために楽しみにしていた夏山山行をキャンセルしたものの、山への思いは断ちがたく、故障モチでも行かれる山をいろいろと探していました。

昨年の8月、奥多摩の御岳山に登ったにもかかわらず、花の盛りだったレンゲショウマを鑑賞する機会を逸したことを思い出し、さっそく出かけてみました。
今回は腰を庇ってコルセット持参の山歩きです。

R0010112sレンゲショウマ自体は昨秋の三ツ峠で初めて目にしましたが、淡い薄紫色の花弁が何とも気品ある姿をしていていっぺんで好きになりました。
ネットで調べたら、花がハス(蓮)の花に,葉がサラシナショウマ(晒菜升麻)に似ているのでこのような名前(蓮華升麻)がついたということです。

さて、御岳山はレンゲショウマの自生地としては日本一だということです。
ケーブル駅の裏手、富士峰園地の北斜面一帯におよそ5万株が自生しているとのこと。
御獄駅からバスとケーブルに乗ってラクラク見物もできますが、そこは「腐っても鰯」の小屋番子。
御獄駅の一つ先にある川井駅でわざわざ降りて、大塚山に駆け上がる境界尾根を辿りながらの山歩きとなりました。

R0010075s大塚山境界尾根は春にも歩きましたが、植林帯の林床がほどよく管理されていてバリエーションコースながら歩きやすい尾根道です。
ところが、真夏の今ごろは誰も歩いていないらしく、クモの巣がいたるところにあって、ストックで払いながらの汗だく山行になってしまいました。

大塚山から古里駅に抜ける丹三郎尾根に合流してホッと一息です。
突然ハイキングコースに飛び出したら出会い頭に遭遇した二人連れの女性ハイカーに驚かれてしまいました。

R0010090sさて、レンゲショウマの自生地は大塚山を過ぎて御獄神社とケーブル駅方面との三叉路からすぐの場所でした。
ケーブル駅の裏手にあたりますが、北斜面一帯にひろく咲いていたのには感激しました。
この花目当てのハイカーさんたちがケーブル駅方面からたくさん上がってきていました。咲いているエリアが広いので人がたくさんいてもそれほど気になりません。
十分に鑑賞してから下山の途につきました。

R0010121s当初は表参道を滝本まで下る予定でしたが、鈴なりのハイカーに恐れをなして来た道を戻り、大塚山から丹三郎尾根を古里に向けて下りました。
道すがら、ホトトギスやハギの花々などを鑑賞しながら、のんびり歩きました。
丹三郎集落に出たら暑さでクラクラしてきました。
多摩渓谷を渡り、古里駅に着いたときはノドがカラカラ状態でした。
真夏の低山ハイクは花がなければとても歩けませんね。

【コースタイム】
川井駅(8:55)・・・境界尾根取付(9:15)・・・583mP(9:55~10:00)・・・丹三郎尾根に合流(10:34)・・・大塚山(10:48~56)・・・富士峰園地(レンゲショウマ自生地)(11:10~12:06)・・・古里駅(13:21)
R0010122s

| | Comments (9)

2007.08.17

真夏はやっぱり沢登り

40.9度C。
この日、国内では74年ぶりに最高気温が更新されたそうです。

地獄のような炎暑が続く日はやはり沢登りがいいですね。
たとえ標高が低くても、深い樹林に覆われた渓谷の中は水しぶきに洗われて別天地のようです。

08160003sふたたびHINAさんと共に西丹沢の小さな沢を訪れました。
沢の名前は「マスキ嵐沢」。
中川川流域にある大滝沢のさらに支流にあたります。
奇妙な名前の由来はわかりませんが、事前情報どおり短いけれども直登できる小滝が連続して懸かる楽しい沢でした。

HINAさんの配慮で下山口の西沢出合まであらかじめ車を回してもらい、ご本人は出発地点である大滝橋までマウンテンバイクで戻って来てくれました。
歩くとなると炎天下の車道を45分はかかります。
故障モチの小屋番子に対する暖かい配慮に感謝感謝です。

アプローチ30分ほどで出合に着き、支度をすませてさっそく入渓しました。
マスキ嵐沢は丹沢には珍しい花崗岩で構成されている沢です。おかげで明るい渓相に満ちていて気分も自然と明るくなります。

しばらく進むとすぐに美しいナメ滝が現れます。
続いてみずみずしい小滝群が次々に現れて私たちを喜ばせてくれました。
お盆明けの平日とあって、他には溯行者も見あたらず静かな沢歩きを満喫しました。

08160026s少し登り甲斐のある滝の落口付近にはかならずと言っていいほどしっかりしたアンカーが設置してあります。
初心者同行の場合でも安心してロープ確保ができるよう配慮されているのはうれしいですね。

この沢のハイライトであるF3(2段15m)を越えて一休み。
このところの渇水の影響でしょうか、水量もいくぶん少ない感じがします。
さらに進むとやがて水も涸れ、二俣に達しました。
ここではケルンに導かれるように右俣を進むと、涸れた5mほどのF6が、そしてそれを越えると10mのF7が現れました。

F7(4級)はロープ確保なしでも登っている記録がありますが、私たちは勿論確保しながら登ります。
HINAさんトップでするするとロープが伸びていきます。
08160029s残置ハーケンはあるものの効きが甘いので中間支点としてはもの足りません。
そこで私たちはキャメロット#0.75で支点を補強しましたが、これが大当たりでしっかりとした中間支点になってくれました。

F7を越えて一休みです。
もうこの先には滝はないので、身支度を整えて稜線を目指しました。
ヤブコギもなくわずか10分足らずで尾根上に達したのには拍子抜けしましたが、汗をかく前に登り切れてよかったです。
帰路は権現山から西沢出合に続く痩せた尾根道を慎重に下り、およそ1時間で車をデポしてある西丹沢自然教室(西沢出合)に着きました。

河原では家族連れのキャンパー達が水遊びに興じていました。
豊かな自然にあふれるこの渓谷で、自然のすばらしさを体感した子供たちがすくすくと成長してくれるといいな、と心から念じつつ西丹沢を後にしました。

もっとくわしい沢の記録はこちら

---------------
夏は岩稜の縦走や沢登り、春と秋には乾いた岩場でのクライミング、そして冬は氷雪に戯れる。
季節感に逆らわない自然の旬を大切にした山歩きをこれからも楽しみたいと願っています。
ただし、「故障と相談しながら」ですが・・(笑)

| | Comments (1)

2007.08.14

窮鳥懐に入る

早朝、飼い犬のけたたましい鳴き声で目覚めました。
朝っぱらから近所迷惑なことですが、捨ててはおけないので犬のそばに行ってみたら・・・
なんと!鳩が羽根をバタバタさせながら苦しんでいるではありませんか。
どうやら羽根の付け根を怪我しているようです。

このままでは猫に食べられてしまうので、とにかく段ボール箱に入れて保護することにしました。
最初はドバトかな?と思ったのですが、よく見ると脚環が取り付けられています。
となると「伝書鳩」?
何百キロも離れた場所から自分の住処を目指して帰還する途中、事故に遭い力尽きて墜落したのでしょうか。
そう思うとすごく可哀想になってきました、

R0010060sさっそくネットで「伝書鳩」をキーワードにして検索をかけてみると・・・
日本には「日本伝書鳩協会」と「日本鳩レース協会」という2つの組織があることがわかりました。
脚環に付けてあるナンバーの記入方法によって各協会の所属がわかる仕組みになっています。
しかも、「迷い鳩」は結構多いらしく、専用のフリーダイヤルまで設置されていました。

さっそくフリーダイヤルに電話してみましたが、月曜の朝だったせいかお話し中が多くてなかなかつながりません。
それだけ迷い鳩の問い合わせが多いのかもしれません。

何回かかけてようやくつながりました。
やれやれ、と思ったのも束の間で、今度は協会本部で紹介してくれた支部担当者との連絡がつきません。
お盆休みで田舎にでも出かけているのでしょうか。

いやはや困りました。
鳩の飼育方法なんかわからないし、この陽気です。いつ体調が悪化して死んでしまうかわかりません。
また我が家は猫の散歩の通り道にもなっているので、いつ食べられてしまうかも心配です。
こういう場合、保護した側にも管理責任が生じるのでしょうか。

R0010067s保護して3日が経ちましたが、今のところ元気でいてくれています。
毎日水と餌(コメ粒)を与えています。
名前がないと不便なので、とりあえず「peace=ピース」と名付けました。
もちろん、「鳩=平和」の象徴からの平凡なネーミングですが。

カミサンや娘からは完全に呆れられています。
彼らは「あなたって本当に人が善いのねー。公園にでも放してきたら? ああいう鳩は自力で立ち直るものよ」などと根拠のないことを平気で言い放ちます。

なにも敷地面積わずか40坪の我が家に墜落しなくてもいいのになあ。
もっと広い庭の家に墜ちてくれれば良かったのに、とグチを言っても始まりませんが、ピースちゃんの飼い主が早く現れないと私が夏休みをとれないことになってしまいます。
困ったー。どこにも出かけられないよー。

| | Comments (5)

2007.08.05

デジカメ購入

愛用していたデジカメが半分壊れてしまいました。
「半分」とは、調子が良い時もあればご機嫌斜めの時もあり、だいたい2回に1回はピントがまったく合ってくれません。
これではいざという時の役には立ってくれないので、思い切って買い替えることにしました。
修理代は多分ウン万円以上かかるでしょうから、買った方が得なのです。

いまデジカメの価格は急降下状態ですね。
ネットで25,000円位で手に入れることができました。
いろいろな機能を覚えるのが面倒くさいのでメーカーは前機種と同じです。

R0010064s今度のデジカメのウリは、28-200mmというワイドから望遠まで広範囲にカバーしていること。
それに加えて、1cmまで近接できるマクロ機能でしょうか。
レンズの明るさはF3.3と暗いので、室内の撮影はあきらめました。

アウトドア専用と割り切れば、なかなか悪くはありません。
さっそく、高原散策中に絶好の被写体に遭遇しました。
ギボシにとまったアキアカネ。
200mm望遠マクロでトンボ君の機嫌を損なわずに遠目から撮影できました。

これは結構使えそうです。
山歩きの楽しみがまた増えました。

| | Comments (2)

2007.08.04

秘湯・肘折温泉に遊ぶ

070804hijiori04
休みを利用して、親孝行がてら山形県は肘折温泉に出かけてきました。
肘折温泉は名峰月山や葉山の登山口としても知られていますが、今回は山登りは封印してひたすら温泉療養の旅です。

肘折温泉は「湯治場」という名にふさわしい温泉場です。
古くから近郷の人たちの湯治湯として栄えてきました。
開湯が西暦870年というから今年でちょうど1200年を迎えるそうです。

070804hijiori03温泉街はレトロな雰囲気に彩られています。
「旅情」という言葉が普通に口の端にのぼるようなあたたかい湯の町でした。
行き交う湯治客もこの温泉での滞在を心から満足しているかのようです。

朝の5時半からはそんな湯治客のための朝市が年中開かれているとか。
早起きして出かけてみました。
自炊客が多いせいか、地の野菜や漬け物など新鮮な食材が路頭に並べられていました。
いわゆる観光客向けの朝市でないのがなんとも魅力的でした。

070804hijiori02私たちは「短期滞在客」のために普通の旅館に厄介になりましたが、そこで供された食事の美味しかったこと!
すべてが自然の食材ばかりでしたので、満腹になっても胃がもたれることもなく気分爽快です。
朝食も心のこもったもので、宿の主人のもてなしの心が十分に感じられました。

湯も良し、食も良し、そして周囲をとりまく大蔵村の人情・風景もまた良し、の幸せな二日間でした。
この夏、貴方もぜひ訪れてみてください。

070804hijiori01

| | Comments (0)

« July 2007 | Main | September 2007 »