花咲き乱れる天狗尾根
八ヶ岳の東面はそのアプローチの長さからなかなか訪れる機会がなかったのですが、今回初めて天狗尾根と真教寺尾根をトレースしました。
スタート地点は美し森駐車場です。3時間の仮眠の後に出発しました。
長い林道歩きですが、車の通行は禁止されているのでのんびりと歩くことができます。東面から眺める権現岳も今まで目にすることのなかった角度からのもので新鮮な感じでした。
やがて、沢沿いの山道となりますが、右へ左へと渡り返しながら堰堤を8箇所越えていきます。目印のマーキングが付けられているので迷わずに出合小屋に着きました。
出合小屋は地元のたかね山岳会が管理されているとのこと。内部は小ぎれいに片づけられており四季を通じて南八ヶ岳東面のベースになっているのもうなずけます。いつまでも大切に使用させていただきたいものです。
さて、いよいよ天狗尾根の取り付き探しの始まりです。
ネットの情報でも取り付き探しに手間取った、という書き込みが多かったので慎重に探しながら歩きましたが確かに解りづらいですね。
地獄谷と赤岳沢とが合流する出合から赤岳沢方面に進み、しばらくして右岸に合流する浅い涸れたルンゼ状を尾根に向かって取り付いたのですが、ヤブこぎを強いられました。
注意して見ると古い赤テープが所々に付けられてはいるのですが・・・
それにしても天狗尾根の登りは急傾斜が続きます。
ヤブや倒木をかわしながらの登高は中高年隊にはきついものがありました。天狗尾根の記録がヤブの消えた秋や積雪期に多いのもわかります。
尾根上に着いたら一段落。
しかし、相変わらず踏み跡はか細いので時々赤テープを見失うとヤブに入り込んでしまいます。
樹林越しに見える権現岳の凛々しい姿を励みにしながら黙々と登りました。
やがて「カニのはさみ」と呼ばれる2つの岩塔が見えてくると、いよいよ天狗尾根核心部の始まりです。
続いて現れた岩峰にはロープがフィックスされていました。最初、ロープの左側をアンザイレンで直上するつもりでしたが、残置ロープの状態が良いのでロープにプルージックでスリングを巻き付けて登りました。
上部は急な草付き帯になっているこの岩峰を乗り越えるとぐっと展望が広がってきました。赤岳本峰は指呼の間に望むことができます。
さて、このあたりまで上がると高山植物が所狭しと咲き乱れていました。
文字どおり咲き乱れるという感じがぴったりでした。踏み跡にもぎっしりと咲いているのには困りましたが。
チングルマ、ハクサンイチゲ、シオガマ、イワツメクサ、ウスユキソウ、シナノキンバイ、チシマギキョウ、・・・
私が知っているだけでもたくさんの花々が見られたのですから、高山植物好きの方が訪れたならさぞかし感動するでしょうね。
大天狗は正面を直登することもできます(IV級)が、5名パーティーでは時間がかかるので右から大きく巻きました。
右下の斜面から巻いたために稜線に戻るのにハイマツ漕ぎを強いられました。
眼前の小天狗はボリューム感たっぷりの大天狗とは対照的に尖塔といった感じです。左から難なく通過しました。
ここまで来れば縦走路はすぐそこです。行き交う登山者もはっきりわかります。
ハイマツの緑の絨毯に開かれた踏み跡をたどって無事に縦走路に合流しました。
稜線上は強風とガスがひっきりなしに去来しています。気温も下がっており、長居は無用とばかりに赤岳山頂直下の分岐から真教寺尾根を下山しました。
東面を代表するこの尾根の下りもまた大変でした。
いきなりの鎖場には閉口しました。荒天時は要注意です。
鎖場の急斜面が一段落すれば今度は長い長い下り道が延々と続きます。
途中で雨にも降られましたが、長い尾根道をたどりなんとかスタート地点である美し森駐車場に無事に着きました。
行動時間で11時間近くのアルバイトでしたが、腰痛持ちの小屋番子には限界の山歩きでした。ヤレヤレ・・・。





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