« April 2007 | Main | June 2007 »

2007.05.28

伊豆 城山南壁・三日月ハングルート

伊豆大仁にある城山南壁を訪れました。

070527jouyama03メンバーは、竜少年(65歳)と錦少年(61歳)の両少年コンビです。
「少年」とは名ばかりの年齢ですが、気持ちはいつまでも少年なのです。
3人だけでのクライミングは、錫杖岳前衛フェース1ルンゼ以来ですが、ロープを結びあうと気持ちがすっと一つになるから不思議なものです。

さて、私にとってはおよそ15年ぶりの城山再訪でしたが、手厳しい洗礼を受けることになりました。

三日月ハングルートは城山南壁を代表するクラシックルートです。
昔から人工登攀で登られていましたが、最近は誰でもフリーで登っています。

070527jouyama04一度は登ってみたかったルートではありますが、今回錦少年のリードでフォローさせてもらい、まだまだ登る資格がないことがわかり、さすがにちょっとがっかりでした。

率直に言って難しかったです。
特に横断バンドから始まる2ピッチ目から三日月ハングを越える4ピッチ目までは、禁断のA0ワザ(ヌンチャク掴み)をしまくりました。
情けねぇー。

070527jouyama05それにしても三日月ハング越えのピッチグレードが5.8とはきびしいです。
いま冷静に思い返すと、たしかにハングの弱点をついているルートであり、大きくかぶっているわけでもなくバランスで十分に越えられた筈です。
眼前の大ハングに幻惑されてしまったのかも知れません。

ああ悔しい。
秋になったらまた訪れたいものです。
今度は南西カンテにぜひ挑戦したいと思いました。

くわしい報告はこちらをご覧下さい。

| | Comments (0)

2007.05.24

激しすぎる夢

激しすぎる夢―「鉄の男」と呼ばれた登山家・小西政継の生涯
小西政継さんとはかつて一度だけお話ししたことがあります。
山の仲間達と「山岳映画と講演の夕べ」なる企画をたて、講演者として来ていただいた時のことです。
どんな怖い人だろうか、とビクビクものでしたが、素顔の小西さんは笑顔の素敵な好漢だったのを思い出します。

彼の生涯と最後の山となったマナスルで何が起きたのかを克明に描いた作品が「激しすぎる夢」です。
長尾三郎氏のノンフィクション作品です。
マナスルに消えた1996年から5年後の2001年に書かれた本書を初めて読みました。

「激しすぎる夢」という題名のとおり、彼の前半生のうち青年期は、マッターホルン北壁・エベレスト南西壁・グランドジョラス北壁に果敢に挑戦し、日本の登山界に小西ありとの名声を確立しました。

それに続く壮年期は、山学同志会のリーダーとしてジャヌー北壁・カンチェンジュンガ北壁・チョゴリ(K2)北稜などに数多くのクライマーを挑戦、そして登頂させることにより世界的なスケールの登山を次々と実践してきました。

一転して40歳代には自ら起業家として登山界に関わっていきます。
家族愛を大切にしながらも猛烈な勢いで仕事に向かい、ある程度の成功をおさめた時点で、再び登山に向かう決意を固めます。

彼が初めて8000m峰に登頂したのは意外にも1994年、55歳になってからです。
しかも酸素を吸って、シェルパを雇ってのフツーの登山。
若い頃の彼の激しい登山観を知る人から見ると意外な感に打たれますが、そこが彼の柔軟でしなやかなところなのです。

「今、俺には無酸素でエベレストに挑戦した昔の力はないんだからさ。でも、酸素吸ったらまだまだ登る力はあると思っている。自分の好きなやり方で登ればいいんだよ。」

ベースキャンプから毎日のように発信する家族へ宛てた手紙。自宅のすぐそばを仕事場に選んで家庭での時間を大切にする毎日。
家族との太い絆で結ばれた交流風景が、人間小西の懐の深さと優しさを証明しています。

最終章では、マナスルに消えた最後の行動にスポットを当てています。
結局、彼の他人に対する優しさが自らの遭難につながっていった過程が克明に描かれており、なんともやりきれない幕切れとなっていきますが、最後まで他人には優しく自分には厳しい面を貫いた男の中の男だったんだなと思いました。

ここまで書いてきてふと思ったのですが、山学同志会時代の妥協を許さないきびしい姿勢。事故はすべて自己責任として会としての山行自粛もしなかった姿勢というのも、もとをただせば「個」の力を強くしたい、「個」を強くすることで生き抜く力をつけていってほしい、という「優しさ」の裏返しだったのかもしれません。
戦後最高の登山家という側面だけで評価するにはもったいない程の魅力あふれる人物です。

6年前の作品ですが、ぜひ一読をお勧めします。

| | Comments (2)

2007.05.22

GPSと友達になろう

070519sogakusan01先日の土曜日は雨模様。
雨降りの間隙を縫って奥多摩にハイキングに出かけてきました。
目的地は高水三山の一角を成す惣岳山(756m)です。

高水三山のハイキングコースにあるこの山は展望が利かないため、山頂にある青渭神社にお参りしたらそそくさと立ち去るハイカーがほとんどです。

そんな地味な惣岳山ですが、この山を取り巻く衛星峰ともいえる馬仏山(723m)と神塚山(624m)の2峰を組み合わせた静かな尾根道(踏み跡ですが…)は、普通のガイドブックには紹介されていませんが、なかなか歩きがいのあるコースでした。
惣岳山の山頂以外では誰にも出会うことのない静かなハイキングを楽しむことができました。

070519sogakusan02さて、今回の目的は、GPSの操作方法を実地で習得することです。
最近GPSを購入したばかりだというSyoさん、GPS操作ではすでにベテランの域にある竜少年さんのお二人が同行者です。

「降雨後の植林地帯を歩く」というGPSにはもっとも苦手なコンディションでしたが、なんとか電波を拾い続けてくれました。

現在位置の確認、あらかじめプリセットしておいたウェイポイントを目指してのナビ機能確認、ウェイポイントの作成法等々を現地で確認しながらのハイキングは和気あいあいとした楽しい一時です。

070519sogakusan04GPS初体験のSyoさんも、その位置精度の高さに舌を巻いていました。
内蔵の高度計も気圧高度計顔負けの高性能ですし、1万7千円という価格は決して高くはないと、改めて実感しました。

ただし、注意しなければいけないことは、GPSに全面的に頼ってはいけないということ。
位置出しの基本は、やはりコンパスと地図ですね。
これを補完するツールとしてGPSがあるのだと思います。
電池が切れたらタダの箱です。
地図を読む力がある人が使ってはじめて威力を発揮するツールだということを肝に銘じておきたいものです。
070519

| | Comments (5)

2007.05.16

北上線で、ほっとゆだ

070516kitakami03ほっとゆだ?
なんだそれ?

カミサンがインターネットで調べものをしていたのを横で見ていたら、聞き慣れない言葉が並んでいました。
秋田県にほど近い岩手県西部の湯田温泉峡にある駅名なんだそうです。

6000円で新幹線を含むJR東日本の電車が一日中乗り放題の切符を手に入れて、さっそく北上線にある「ほっとゆだ駅」を訪ねてみました。

070516kitakami01新幹線はやてを利用すると3時間足らずで北上駅に到着です。
ここから2両編成の北上線に乗り換えます。
新緑が目にまぶしい沿線は今が田植えの最盛期でした。のんびりと車窓の景色を楽しみながら、およそ45分ほどでほっとゆだ駅に着きました。

駅舎内には温泉があります。
さっそく入浴しました。
広い浴室内には3つの浴槽があり、やや熱めのお湯が長旅の疲れを癒してくれます。
面白いのは信号が浴室内にあって、青色・黄色・赤色で発車時刻までの時間がわかる仕掛けになっていました。

070516kitakami04お風呂から上がったらちょうどお昼時。
駅前の食事処で地元産の食材をふんだんに使った定食に舌鼓を打ちました。
平日の昼間ということもあり、静かでゆったりと時が流れていきます。

ふたたび北上線に乗り、北上市へ。
この町も時間が止まっているのではないかと思われるほど、静寂があたりを支配している感じでした。
タクシーの運転手さんもあくびをかみ殺していました。

駅にほど近い「みちのく民俗村」を訪れましたが、ここは穴場です。
北上地方に残されていた江戸時代から明治時代にかけての古民家を移築した野外博物館です。
070516kitakami05藩政時代の豪農の屋敷、豪雪地帯の農家など29棟が移築・復元されているそうですが、広い園内と豊かな樹林に囲まれているために、とてもゆったりとした配置でくつろぐことができました。

朝、千葉を発って日帰りの旅でしたが、文明の利器をフルに使ったおかげで時間にはけっこう余裕がありました。
まともに電車賃を払えば往復で2万7千円以上かかりますが、それが6000円で済んだのですからこれで文句を言ってはいけませんよね。
070516kitakami06

| | Comments (3)

2007.05.12

リード&フォロー

070512fujisaka01新緑がまぶしい栃木・藤坂ロックガーデンを訪れました。
ここしばらくは氷や雪山に出かけていたので、私にとっては2ヶ月ぶりの岩登りです。

会の若手とチームを組んで登るのは楽しいですね。
今回ともに登った若手の二人とはしばらく一緒に登っていなかったのですが、登りに落ち着きと集中力が備わっているのに驚きました。
着実に力をつけているのを間近に見られてうれしかったです。

070512fujisaka02今日はトップロープは封印しました。
トップロープクライミングは、難しいルートやムーブを探るときには有効ですが、どうしても気持ちがバラけてしまいます。
2人一組ですべてリードアンドフォロー形式で登り込みました。

尺取り虫のように二人で少しずつ高みをめざしますが、フォロアーはリーダーを見守り、リーダーはフォロアーをサポートする。
070512fujisaka03私はこのクライミング方式が好きです。
お互いを結ぶロープを通じて、相手の息づかいや気持ちまでが伝わってくる感じがするからです。
文字どおりロープに血が通うというのでしょうか。

今日の藤坂は新緑の中をさわやかな風が吹きぬけて最高の一日でした。
これからも一歩一歩ステップアップして、8月には会の皆で剱岳周辺でのバリエーションルートを楽しみたいと思っています。
070512fujisaka04

| | Comments (0)

2007.05.06

杓子岳・双子尾根から白馬岳へ

070504hutago04久しぶりに眩(まばゆ)い残雪の北アルプスを満喫してきました。
若葉マーク付き登山者にとって、北アルプスはいつまでも憧れの高峰群です。
良き山仲間の支えがなければ簡単には登らせてくれません。
今回も年代的には大先輩といえるお二人とともに好天を味方につけて登ることができました。

目的地は杓子岳の東南方向に派生している双子尾根。
北アルプスでは初級者向けのバリエーションルートの一つ。
その双子尾根を経て杓子岳に登り、白馬岳に登頂するプランです。

ただし、中高年世代のパーティーですから無理は禁物です。
アプローチに要する時間を短くして、かつ行動時間も最小限度に抑えるように計画しました。
こうなると山の選択肢は限られてきますが、自然と候補に上がってきたのが今回の双子尾根でした。

070504hutago21千葉を早朝発の特急あずさで出発すれば、お昼過ぎには猿倉台地上のテントサイトに着くことができます。
稜線上にある営業小屋で1泊するプランにすれば行動時間の短縮も図られて、中高年隊にとっても余裕のある計画が組めます。

こうして挑んだ双子尾根は、私たちが期待していた以上に楽しく充実したルートでした。
尾根上には何日も滞在したくなるような絶好のテントサイトがあるし、周囲の圧倒的な景観も魅力的です。
雪が多くコンディションが良かったせいか困難な箇所も少なく、若葉マーカーにとってはとってもありがたいコースでした。

さあ、ほぼ6ヶ月にわたった雪山の季節はそろそろおしまいです。
これからは乾いた岩の世界、そして新緑や高山植物が咲き乱れる山歩きの楽しみが始まりますね。

双子尾根の詳しい山行記録はこちらをどうぞ

070504hutago35

| | Comments (6)

« April 2007 | Main | June 2007 »