ミスに気づくこと
「岳人」11月号の連載「30の質問」にプロガイドの近藤邦彦氏が登場しています。
かつて日本を代表する先鋭的クライマーだった近藤さんも、写真で拝見する限りでは還暦を過ぎ穏やかで笑顔の素敵な好人物といった印象です。
30の質問に対する氏の答えは、そのどれもが経験に裏打ちされた重みのあるものでした。
Q14
危険と安全をいつもどう見極めながら行動していますか。
A14
いきなり瀬戸際まで行くような事故なんて滅多にない。小さいミスに気づくかどうかだと思う。死ぬような事故というのは、小さいミスを重ねた結果としてやってくる。・・・(以下略)
この言葉を読み返してハッとしました。
たしかに、私自身の事故(幸い滑落による関節の脱臼とか転倒による頭部裂傷程度だった)を思い起こしてみても、その前に事故の前兆となるようなミスを犯しています。
肩の脱臼につながった滑落の際には、正規のルートを外れて行動したことが原因だったし、転倒して頭部を裂傷したときは「まだいいや」とアイゼンを装着することを怠った直後でした。
2つの事故とも小さなミスを見逃してしまった直後に起きています。
小さなミスに気づくかどうかで、それが事故につながるかどうかの分岐点になってしまうのですね。
いま千葉県勤労者山岳連盟のサイトで「ヒヤリハット事例集」が掲載されていますが、小さなミスをミスとして意識の底にインプットできるか。
そして、ミスをけっして重ねないという意識を強くもつこと。
これら当たり前のことの重要性を改めて思い起こしてくれた「岳人」の連載記事でした。


Comments
なんだか会社の経営を語っているような話ですね。人生を語っているような話でもあるし。いまさら反省してもしょうがないが・・?
Posted by: おじん堂 | 2006.10.24 at 09:56 PM
ポストミスが発生しました。二重にポストされていましたら、ごめんなさい。
ご存知かもしれませんが、ハインリッヒの法則、というものがあります。
重大事故1に対して、軽症事故29、ヒヤリやハッとした(いわゆるヒヤリハット)が300おきる、「1:29:300」の割合で事故が発生する、というものです。
私は、足の麻痺があるため、30分ほど下ったら休憩場所を探して45分から1時間で、15分くらい靴を脱いで足を休めるようにしています。
また、コケたり厳しい鎖場などを通過した場合も、2~3分程度の呼吸を整える休みを入れるようにしています。
気持ちが高ぶっていると、ミスや危険に鈍感になりがちです。定期的に休む”癖”をつけておくことで事故が防げるのではないかと思って実践しています。
もうそろそろ、歳ですし。
Posted by: 岳 | 2006.10.24 at 11:20 PM
> 気持ちが高ぶっていると、ミスや危険に鈍感になりがちです。
> 定期的に休む”癖”をつけておくことで事故が防げるのではないかと思って実践しています。
そうですね。
気持ちを落ち着かせることで、ミスはかなり防げると私も思います。
とはいっても、トラブルの渦中にいる場合はなかなか難しいですが・・。
でも意識的に休みをとることはとてもいいことだと思います。
> もうそろそろ、歳ですし。
そんなあ。
まだ40歳前の岳さんからそういう言葉が出ると私などどうすればいいの?
Posted by: Nob | 2006.10.25 at 12:53 PM
いえいえ。今年は前厄です。
なんだか、最近周囲のものが、どんどん壊れていきます。
バイクは既に2回修理し、先日はウィンカーランプが切れました。
南アの帰りに携帯電話、越後三山ではシャープペンシル。
もう、体もすっかり弱ってきて、お酒も以前ほど飲めなくなりました。
Posted by: 岳 | 2006.10.28 at 07:11 PM