遭難と想像力
5月27日の毎日新聞の朝刊紙面に「山の遭難を考える」と題して3人の識者による提言が掲載されていました。
岩崎元郎(登山インストラクタ)、山本正嘉(鹿屋体育大教授)、柳澤昭夫(大町山岳博物館長)の3氏です。
3人それぞれの専門分野からの切り口で中高年に多発している山岳遭難について、なかなか興味深い意見を寄せていました。
その中で、岩崎さんの主張 -危機管理は想像力で- は、なかなか印象深い内容でした。
…登山で絶対安全が保証される対策は「無い」ということを明快に認識していること。そして事故を想像する。その上で事態にどう対応するかをつねに考えること。
山は危険なのだということを想像して、最低限の備えとして山岳保険に加入してほしいと思うのだが、山岳保険加入者が存外少ない。
未加入者は山の危険を想像できない人ということで、即ち遭難予備軍と断定させていただくしかない。…
ここで言われている「想像力」ですが、たぶん私なりに考えると、「事態をイメージする力」だと思うのです。
ここで墜ちたらどうなるかをイメージする。
次の段階では、墜ちないようにするためのバックアップをイメージしてみる。
最後に、墜ちないで突破できた自分の姿をイメージする。
こういう作業をつねに念頭において山を歩くのは、まともに捉えればツライし重いことですが、長い間登山を続けている人たちにとっては、普段自然にやっていることなのではないでしょうか。
また、山岳会などで先輩から後輩にごく普通に受け継がれていったことだと思います。
冒頭紹介した大町山岳博物館長の柳澤氏は、「山岳会」という組織の再評価について述べています。
…いまの人は山岳会に入らない人が多い。仲間が怪我をしたり失ったりというつらさ。自分が痛い目にあったという経験。一人の経験は少なくても山岳会で複数の人が集まれば2倍、3倍になる。追体験で経験不足を補うことにつながる。…
そうした経験を重ねていくことでイメージ力が高まっていくのでしょうね。、
リスクマネジメントにおける想像力発揮の課題はとても大事なテーマだと改めて思いました。






会社の先輩から「これ、面白いから読んでみたら」とありがたく頂いたのが本書との出会いです。












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