父と暮らせば
宮沢りえの魅力のとりこになった1時間40分でした。
井上ひさしの同名の戯曲を映画化したものです。
原爆投下から3年後の昭和23年の広島が舞台。
宮沢りえの恋人役(浅野忠信)も出てきますが、実質的には宮沢りえと原田芳雄の二人芝居です。
観ている私達ひとりひとりが「生きている」という意味を考えさせられる映画だと思います。
広島弁のやりとりがとてもよく活かされていて、さらには宮沢りえ演じる美津江のけなげな切ない心情が観るものの心を揺りうごかします。
死ぬのが自然で、生き残るのが不自然だった8月6日を生き残り、肉親や親友の死を目の当たりにしながら「私は決して幸せになってはいけない」と自身に言い聞かせながらひっそりと生きる美津江。
そんな美津江の悩み、苦しみが亡き父竹造(原田芳雄)を現世に呼び戻します。
娘の幸せを願い、なだめすかしながら娘の気持ちを前向きな人生に歩ませようとする竹造の姿が感動的でした。竹蔵が結婚に背を向ける娘にむけた言葉は心に残りました。
原爆をテーマにした映画はこれまでにもたくさん作られましたが、いままでの映画とは違った境地を切りひらいた佳作だと思いました。
この夏、ぜひ岩波ホールに足を運んでください。
(黒木和雄監督 上映は7月31日(土)より12月下旬まで)
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