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2004.07.08

ほろ苦い夏の思い出

まるで梅雨明けを思わせるようなするどい夏の日差しが照りつけている。

いまの勤務地は歩いて10分弱でもう海岸である。窓を開け放てば海の匂いがふんだんに詰まった潮風が執務室にも入り込んでくる。
干潮の時には潮干狩りを楽しむ家族連れで平日もけっこう賑わっている。
砂浜を眺めているとそこここにアサリやハマグリの貝殻が転がっている。

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じつはこの貝殻を見ると小学生のころの苦い思い出がよみがえってくる。
昭和30年代の夏休みの宿題といえば、ドリルや日記帳、図画工作なんかが定番だった。ドリルや日記はまったく苦手だったが、なぜか工作は結構好きで気合をこめていろんな作品を作ったものである。

いつの頃だったか忘れてしまったが、小学校時代のある夏休み。
親父に連れられて伊豆方面に海水浴にでかけた。当時、泳ぎは苦手だったのでもっぱら浜でヤドカリを追いかけたり貝殻を拾って遊んでいた。

浜辺には色とりどりの美しい貝殻がたくさんころがっていた。
二枚貝だけでなくそれまで見たことのない美しい巻貝もたくさんあった。
家に帰ってから、それらに丁寧にニスを塗ると光沢が出て一つ一つが装飾品のような輝きをもつまでになった。
お土産に買ってもらった饅頭の空き箱を見ると、饅頭一つ一つが細木で格子状に仕切られており、貝を飾るのにちょうどいいことに気がついた。さっそく木箱の格子の中にセメダインで一つずつ丁寧に貝を貼り付けてみた。
貝の図鑑で名前を調べてラベルを貼って出来上がり。
子供心にも「やったー!」と叫びたくなるほどのすばらしい出来栄えだった。

さて、9月に入って新学期のはじまり。
宿題の工作や昆虫の標本に混じって私が苦労してつくった貝の標本が並べられた。
クラスの連中が私の作品の前に集まる。
驚きの声があがる。
「スゲー!」「これ、ホントにおまえが作ったの?」
私も得意満面である。

その中に悪いやつがいて担任の先生に密告した。
「センセー、Nobちゃんの標本と同じもんがデパートにあったよ。」って。

当然、職員室に呼ばれた私は、いきなり先生から言われた。
「なあ、Nobよ。おまえ宿題は自分で苦労してつくるものなんだよ。買ったりしちゃあダメだ。」

あの時は子供心にもグサっと傷ついた。
心臓を刃物でえぐられたような痛みだった。
めちゃくちゃ泣きながら家に帰った記憶だけが鮮明に残っている。

あの一件以来、なぜか工作に熱が入らなくなってしまった。
あの時点で私の秘められた才能?は開花せずに見事にしぼんでしまったのか。(^^;

それにしても、子供時代というのは心のキャパシティが小さいので、些細な誤解が大きな心理的影響をもたらすものだ。
今ならさしずめ、密告したクラスメートを柳刃包丁でメッタ刺しにしたかも知れないなあ。
当時は憎しみをぶつける対象が見つけられず、一人自分を責めて泣きじゃくることしかできなかったんだなあ。

幼い日のほろ苦い夏の思い出…

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Comments

あー、そういう経験、私にもあります。大なり小なり皆あるんじゃないかなぁ。先生の一言で、簡単に子供は潰れますよ。
私も何度があったような気がしますが、覚えているのは、社会の先生と国語の先生に授業中にコケにされて、それ以来絶対に社会と国語は意地になって勉強しませんでした。別の先生でしたが、二人の先生にグサっと刺されましたね。(^_^;)

Posted by: おじん | 2004.07.08 10:55 PM

おじんさんにもありましたか。
そうですよね。多かれ少なかれ子供にはみんなありますよね。
信頼感がプッツンしたときのショックって、今でもそうだけど、全くやりきれませんよ。

Posted by: Nob | 2004.07.09 07:38 AM

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