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2004.05.03

自己責任

今年のGW前半は好天に恵まれて、大きな山の遭難事故も聞こえてこない。
こういう年は自分が山に行けなくても何だかホッとする。

登山ってむずかしい。
装備もずさんで事前準備もおろそかなまま、実力以上の山に入って遭難するケースもあれば、十分な事前準備と技術研鑽を積んで山に向かっても、思わぬ天候の急変や雪崩・落石など事前予想の範囲を超えた事態が突発して不幸にして遭難に至る場合もある。
また、その一方で装備も不十分、天候の読みもできず、ルート判断もめちゃくちゃであっても幸運にも何も事故なく無事に帰ってこれるケースだって星の数ほどある。

いったん事故が起きると新聞の紙面を賑わせるキーワードは「無謀」、「中高年」、「安易」…か。
私たちはこうしたプレッシャーに負けないように出来る限りの自己研鑽を積もうと努力するし、向かう山の事前研究も十分にしてから山に入る。
それでも事故は起きるときは起きる。加齢とともに事故発生確率も増えているし、身体の故障発生率も確実に増加している。

出来うる限りの事前準備をして山に臨み、それでも事故に遭遇したら?
起こった事態に対してそれらをすべて受け容れるしかない。
これぞ自己責任の世界。

山野井夫妻のギャチュンカン生還こそ「自己責任」の典型例か。
人間が生存できないような極限の空間に自ら赴くも、不幸にして天候の急変に遭遇し、そして自ら脱出し、結果として手足の指を失った。
人間の極限をより高みに切り開こうとした行為に、だれも「自業自得」「おろかな行為」などとは言わない。


話は飛ぶが、イラク人質事件での3人。
世界に対して誇りにしてもいい優れた人道活動をしていながら、そして自らのリスクを承知でイラク入りしながら不幸にして囚われの身となった。
しかし、帰国してからの彼らは「針のムシロ」状態。
政府・マスコミはこぞって彼らに対して「自己責任」を取れって迫る。同じ声は私の身のまわりにもたくさんある。
でも、もう十分に自己責任を果たしているのではないか。

「自己責任」うんぬんをいうなら、国民の義務である年金支払いを未納して逃げの一手の大臣たちこそ問われなくてはならないんじゃないかと思ってしまうが。いかがなものか?

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Comments

こんにちは。大型連休だというのに山にも行かずに自宅でくすぶっていると(^_^;)、いろいろ小難しいことを考えるのでありますね。私なんか交通渋滞にビビって、ひたすら自宅で腐っております。

ところで、以前にライフスペースというところが定説というのを唱えておりまして、死んでいるのに死んでないと言い張っていました。年金問題はこれと酷似していませんか。もう破綻しているのに破綻してないと言っている。新たな定説でござる。

Posted by: おじん | 2004.05.03 07:38 PM

たしかに家にこもっていると普段読まない新聞なんか広げちゃって、隅から隅まで読む。ヒマだから。(^^;
そうすると、頭にくる記事ばかりが目立ってしまい、山に行けずに気分悪いところにきて、もう最悪ですね。

おじんさんも自宅休養組ですか?
わが後継者のhime☆なんぞ、29日から2日まで晴れまくっていたらしいですよ。北アルプスで。
そんなに紫外線浴びていいことあるんだろうか???

Posted by: Nob | 2004.05.03 08:58 PM

晴れた雪山は中東の砂漠と同じくらい紫外線が強いですから、山女たるものマクナエ頭巾で頭から肩まですっぽり覆い、ベールをかぶって顔を隠すのがたしなみですな。これを守らないと、将来は山姥に昇格するでしょう。

Posted by: おじん | 2004.05.03 10:43 PM

 振るのがお上手ですねぇ、お二人様。
 ジェントルマン二人の公開交換日記の愛読者としての私としてはあまり、表に出たくないのですが…。^^;
 暑いのが嫌いな私、もうすでに山姥と化してます。(爆) 今回の山行で、眼の下から真っ黒の覆面をすっぽりかぶっていた熟女に逢いましたが、どう見ても銀行強盗に間違われる格好でした。せめて、農繁期のオバチャン程度にしたいもんです。
 でも、私は紫外線の影響というより、嗜好品の影響で山姥になってるってうわさ。^-^)v
 こんな格調高い自己責任論の話がな~んで、こんなになっちゃったかねぇ。スンマセン…って振ったのはお二人だからね。

Posted by: 山姥☆ | 2004.05.04 12:09 AM

いえいえ、格調高い自己責任論でござる。山で紫外線を浴びると、ある時点でグレムリンのように変身することになるわけですが、それは素晴らしい展望を得たことの代償です。とても分かりやすい自己責任論の入門編ですな。

Posted by: おじん | 2004.05.04 09:04 AM

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