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2003.09.29

三ツ峠にて

久しぶりに三ツ峠を訪れた。

秋のさわやかな好天を期待していたが、あいにく前夜にかなりの降雨があり岩場は濡れていた。おまけに終日ガスがまとわりついていて岩の乾きが悪かった。
ここは初心者から上級者までがひろく楽しめる好エリアである。そんな中、思わぬ出来事にぶつかった。

1ピッチ目をリードして第一バンドに到着したときのこと。確保点に着いてセルフビレーを取ろうとした時、傍らの登山者から心細げな声をかけられた。「あのー、ボクはどうしたらいいのですか?」
見ると、トップロープで上がってきたものの、他には彼の仲間は誰もいず、次の動作をどうしていいのかわからないらしい。
で、「あなたは何をしたいのですか?」と尋ねても要領を得なかったので、とりあえず「まずはセルフビレーしてください。私も今上がってきたばかりなので、こちらのこと(支点づくり)を済ませたら見てあげます」と言ってフォローのMさんを迎える準備をし終えて、再度彼を振り返って見て驚いた。セルフビレー用のスリングはおろかカラビナ1枚も持っていない丸腰状態で登ってきたからだ。

一瞬こちらもどうしていいかわからず困ったが、まずはそのまま降りてもらった方が安全と考え、「下の人に声をかけてそのままテンション状態で確保してもらって降りてください。ザイルが余っているみたいなので張ってもらってください」とアドバイスした。
下の人とやりとりしていたようだが、そのうちに要領を得ないことに苛立って?下からリーダーらしき人が別のロープで上がってきた。

リーダー曰く「自分のロープをカラビナから外して先端を下に降ろさなきゃ次の人間が上がれないだろうに。そのくらいのことわかれよ。」って注意していた。
セルビレーも知らない岩場初体験の初心者を最初に登らせておいて、それはないぜ!
しばらく様子を眺めていたら、続々と登ってきたその5人パーティーは全員セルフビレーを取っていなかった。確かに
第一バンドは広いが、雨の後で滑りやすくとても危険な光景だった。

三ツ峠はスケールも大きいし好ゲレンデではあるが、残置の支点も古いものが多く、岩登りの基本をしっかりマスターしていない人にとっては危険がいっぱいのエリアだと思う。

岩登りを始める時の指導者の善し悪しで、岩登りが楽しくなったり怖くなったりする。大げさに言えばその人の人生にも影響することを考えるとちょっとこわい話である。

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2003.09.23

石山寺

21,22日の両日、京都・近江路方面を旅行してきた。

大原の三千院から始まって、比叡山根本中堂、西教寺、日吉大社、近江八幡市街、日牟礼八幡宮、石山寺、三井寺といった古寺社巡りの小旅行だ。
しばしば訪れる関西方面でも湖南方面はなかなか訪れる機会がないので久しぶりの訪問は楽しかった。
中でも紫式部ゆかりのお寺である石山寺はよかった。お寺の名前の由来が境内に露出している珪灰石(花崗岩が焼けて変成した岩)から来ていることも今回はじめて知った。

有名な多宝塔の基部にはちょうど根が生えたように珪灰石の露岩が盛り上がっていて、本堂と合わせてまさに「石の上に建つ寺」=石山寺なんだなあと妙に感心する。
この珪灰石、触ってみるとフリクションがばっちり効く。さすが花崗岩の仲間だけのことはある。こうしてみると石山寺はボルダリングの名所になりそうだが、天然記念物として柵で囲われているし、さすがにそんな不謹慎なことをする人間は一人もいないようだ。(^^;

「古寺巡礼の旅」のつもりであったが、どうしても目は比叡山・比良山系や伊吹山にむけられてしまい、山とは縁が切れそうにない自分をおかしく感じた2日間だった。

写真:美しい近江八幡の水回廊
         ↑ 近江八幡の美しい街並み

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2003.09.16

人生7掛け時代

昨日は敬老の日。ふだんは通勤で見られないNHK朝の連ドラを何気なく見ていたら、ちょっと素敵なフレーズに出会った。
主人公のお祖母さんのセリフである。「人生は7掛けの時代だよ!昔の50歳は35歳、60なら42歳、70歳だって49歳だよ!」…というような意味だったと思う。
まさに金言至言だなあって思わず感心してしまった。(^^)

三浦雄一郎さんが70歳でエベレスト登頂。80歳近くのおばあちゃんが穂高の屏風岩を登攀したり、3人合わせて204歳で谷川の南稜を登ったり。
装備も食料もトレーニング方法も高所医学もかつてに比べれば飛躍的に進歩している現代。山の世界でも「7掛けの時代」なのはむしろ当然なのかもしれない。
まあ、ニュースになるような人たちはそれなりの節制とトレーニングを欠かさないだろうし、モチベーションもきわめて高く維持しているんだろうけど、フツーの平凡な山屋にとってもやはり励まされる。
「7掛けの法則」でいうと、私もまだ36歳(^^;
これから一花も二花も咲かせられるぜ!

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2003.09.12

コンセプトを大事に

岳樺クラブのコンセプトって何だろう?

単なる中高年のクライミング好きの集まり? いや、なんか違うなあ。
インターネットで検索してみると、中高年主体の本ちゃん・アルパイン志向の山岳会は結構存在する。別に中高年限定ではないのだが、経済的な理由やら時間的な理由で中高年が主体にならざるを得ないというのが実情かもしれないが。
フリークライミングのクラブやサークルもたくさんある。岳樺は中高年のフリークラマーの会か? もちろん否である。

ハイキングを越えた領域での山行、アルパインを目指しつつも本格的なアルパインではなく、中高年の体力に見合ったアルパイン的山行… そんな登山をやりたくて集ったんだと思う。少なくとも私はそう思っている。そしてそれが会のコンセプトだと思っている。

会員の平均年齢が高くなると、登山活動の選択肢がだんだんと狭められていくような気がする。
数年前ならチンネも夢じゃなかったが、今では文字通り「夢」になってしまったし、バットレスの中央稜に行くのに何故か体力的な不安でためらってしまったり…。
このままでは前途に明るい光は見えてこない。

そこで、もう一度思考を初期化して会創立の初心を実現できるための方策を考えてみたい。
▲加齢にともなう体力の低下には多様なルートの選定で対応しよう。
▲試験じゃないけど若者に互していくだけの体力がないのなら下駄を履かせてもらおう。入山にはタクシーでできるだけ奥に入ってもらい、下山は堂々とロープウェイを使ったっていいじゃないか。
▲核心の登攀部分は避けて通れないので室内壁で日々トレーニングしよう。
▲足下がおぼつかないと滑落・転倒の危険に見舞われるのでバランストレーニングは怠らないようにしよう。
▲駅でもなるべくエスカレーターは使わないようにしよう。

そうした工夫と努力で、昔日の「栄光?」は取り戻せないものの、60歳代になってもハイキングを越えた領域でのライトなアルパインだったら十分に可能だと確信している。
その実験台に岳樺クラブがなればいい。コンセプトを大事にしてコンセプトから外れるような冒険はしないで前へ進んでいけばいい。
15日は、岳樺の進路を決める大事な例会。
うまく言えないけど例会を前にそんなことを考えている。

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2003.09.04

「4オン2パット」と「2オン4パット」

昨日の例会で、代表の竜少年さんから電撃的な引退発言?があった。

おん歳61歳。アルパインをやるには体力がついていかないとのこと。
うーん、いつかは皆が直面する問題だ。
たしかに一緒に行動すると、特に後半の歩きがガクッとスピードダウンするのがわかる。
私も同年齢の連中と比べたら速い方だけど、歩き慣れたハイカーと比べたら決して速いとは思っていない。その私があきれるぐらい遅い歩きなのが今の竜少年さんだ。
ところが岩場になると話は別で、別人のようなスピードで登攀する。ぜんぜん疲れを見せないクライミングフォームとスピードにいつも感心させられる。
一方の私はというと、アプローチでの快調さがウソのようなスローペースにわれながら情けなくなる。岩場はいまでも怖い。心理的な怖さと近視で周りがよく見えないのとでペースは一向にはかどらない。レイトビギナーの宿命か。

これをゴルフに喩えてみる。パー5のロングホール。
飛ばし屋のNobは2オンに成功、しかしパターが決まらず結局4パット。
対する竜少年さんはパワーがないのでアプローチは刻みながらの4オン。しかし往年の技を活かして寄せは2パットでボギー。
上がってみればともになかよく同スコアで終了。

あまりいい喩えではなかったけど、加齢による体力の衰えを別の分野(側面)で取り返し、総合的な力をさほどダウンさせずにできないものだろうか。
夜行はやめて朝発ちにして体力の温存を図ったり、登攀終了点付近に営業小屋があるようなルートを意識的に選んで緊急時の対応に備えたり、下山にロープウェイやケーブルが使えるルートを検討したり…。まだ他にもたくさんの方法があるかもしれない。
そんなのアルパインじゃない、って言われるかもしれないけど、そういう方向性が認められてもいいと思うのだが。

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